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2009年8月13日 (木)

クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング 「デジャ・ヴ」 ~時代の生んだカントリーロックの傑作~

Cci00011_3 「小さな恋のメロディ」「いちご白書」「ウッドストック」 この3本の映画を1970年代の公開当時に劇場でご覧になった方は私と同世代です。しかもかなりのロック・グルーヴィでおられた方。けれども、いずれも大ヒットしたので後からでも再公開やDVDでご覧になった方も多いと思います。ところで何故この3本を並べたかと言いますと共通点が有るのです。3作品に非常に効果的に使われている曲が収録されている「デジャ・ヴ」というロック・アルバムが有りました。これは70年代に流行ったカントリーロックというカントリーやフォークミュージックをロックに取り入れた非常に優しく素朴で美しいサウンドで一世を風靡したクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングという4人組のグループの作品です。このグループは日本のミュージシャンへ与えた影響も非常に大きく、例えば「学生街の喫茶店」で有名なガロも美しいヴォーカルハーモニーや通常のギターチューニングと異なるオープンチューニングを彼らから取り入れました。

ところで「デジャ・ヴ」というのはフランス語で「既視感」という意味です。「今まで体験した事が無いのにどこかで見たことが有るような気がする感覚」のことです。そんな意味深のタイトルがついたこのアルバムですが内容は実に親しみやすい作品です。しかも何度聴いても飽きない名曲揃い。それが見事にアルバムとしてまとまっています。僕なら70年代のロックミュージックのアルバム10指の一つに数えたいと思っています。

曲目は1.キャリーオン 2.ティーチ・ユア・チルドレン 2.カット・マイ・ヘアー 4.ヘルプレス 5.ウッドストック 6.デジャ・ヴ 7.アウアー・ハウス 8.4+20 9.カントリー・ガール 10.エブリボディ・アイ・ラヴ・ユー 以上の10曲です。

このうち2曲目の「ティーチ・ユア・チルドレン」が「小さな恋のメロディ」で最後に子供の恋人2人がトロッコに乗って逃げるシーンで使われています。

4曲目「ヘルプレス」と7曲目「アウアー・ハウス」が「いちご白書」に使われています。特に「ヘルプレス」は学生達が大学を占拠して一夜を明かす時に夜空に浮かぶ月のシーンに流れるのが非常に印象的でした。余談ですが、この映画を題材に日本のフォークソング「いちご白書をもう一度」が作られたことは言うまでも有りません。

5曲目「ウッドストック」はタイトル通り、音楽ドキュメンタリ映画「ウッドストック」のエンディングタイトルで流れる曲です。このウッドストックというのは1969年にニューヨーク郊外の田舎町で開かれた巨大な無料コンサートでしたが、それ自体が当時の世界的社会現象となった「ラヴ&ピース」の反戦と平和を求める運動の象徴のようなイベントになったのです。映画を見ると当時のロックミュージックとミュージシャン達がどれほどパワーが有って、ヤングジェネレーションのヒーローでありカリスマであったかが理解できます。

以上3本の映画との結びつきをお話しましたが、時代と共に映画は古さを感じるようになった面も正直言って有ります。ある時代の記録として見るべきでしょう。ですがこれらの音楽をオリジナルアルバムとして聞く分には、それとはまったく関係なく古臭さをこれっぽっちも感じない普遍的な音楽として楽しむことが出来るのです。映画に使用されていない残りの曲もみな名作ですし、アコースティックばかりでなくエレキ楽器でロック調の曲も有りますが、決して騒々しいということは無いと思います。

グループの名前はメンバーの4人の名前を順に並べただけです。彼らは結成前から既に他のバンドで活躍していた実力者ばかりですが、解散後に一番活躍したのは最後の「ヤング」ことニール・ヤングでした。「孤独の旅路(Heart of Gold)」というヒット曲が有ります。4人とバックミュージシャン達が昔のアメリカの開拓時代の衣装を着て古ぼけた写真に写っているジャケットも傑作です。どうぞクリック拡大してご覧下さい。

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コメント

カントリーは、私はほとんど機会が
ありませんでしたね。
大学の同級生二人がカントリーやってたので、
大学祭のときに、それを聴きに行ってたくらい。
その二人は人気があって、卒業前の解散コンサートは、
銀座のヤマハホールでやりましたからね。
でも、すっぱりとやめて、就職しました。

去年、同級会で会ったら、また時々二人で
唄ってると言ってました。

そういうの、いいですよね。

投稿: 四季歩 | 2009年8月13日 (木) 20時20分

ハルくんさんは、CSN&Yもお好きなのですね。彼らの録音は、ほとんど全てを持っています。26年前には、CS&Nとニール・ヤングのそれぞれのコンサートに行きました。当時、ナッシュビルに2年近く住んでいました。
スティルスとナッシュは、もう歌う声が出なくなりましたね。クロスビーも一時病気で危なかったようです。ヤングの新譜が出れば入手するようにしています。さすがに、歌の内容は日常的なノンビリした話や、環境の話が多くなりました。
デジャ・ヴや実況盤4way streetのあの独特の気分がとても懐かしく思い出されます。

投稿: HABABI | 2009年8月13日 (木) 22時50分

四季歩さん、こんばんは。

僕はカントリーは聴くのは好きでも歌いはしないですね。カントリーPOPのジョン・デンバーなんかは好きだったので、よくギターを弾きながら歌いましたが。
大学の時にはオーケストラ部に入っていましたが、学園祭ではギターを手にフォークを歌ったりしたものです。
現在はカラオケだけですね。(笑)

投稿: ハルくん | 2009年8月14日 (金) 00時18分

HABABIさん、こんばんは。

コメントにお名前が無かったのでIPで調べて追記しておきました。

CSN&Yは大好きでしたよ。ただバンドとしてのピークはやはり「デジャヴ」と「4 way street」でしょうね。「ウッドストック」での彼らも素晴らしかったです。
ソロでは何といってもニール・ヤングでしょう。「アフター・ザ・ゴールドラッシュ」と「ハーベスト」は大好きです。後年のエレキ主体の数多いライブ盤もみな大好きです。
いやー本当に懐かしいです!

投稿: ハルくん | 2009年8月14日 (金) 00時26分

なつかしいアルバムのご紹介ありがとうございます。友人と「いちご白書」の話をしていたところでした。

投稿: かげっち | 2009年8月17日 (月) 15時21分

かげっちさん、こんばんは。

「いちご白書」懐かしいですよね。
バフィ・セントメリーの「サークル・ゲーム」なんてテーマ曲も素晴らしかったです。

投稿: ハルくん | 2009年8月17日 (月) 22時31分

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