真夏のボサノヴァ・ジャズ 「スタン・ゲッツ/ジョアン・ジルベルト」 ~イパネマの娘~
今週は、世の中すっかり夏休みモードですね。お休みにならないサービス関係などでお仕事をされている方には大変申し訳なく思いますが、一般サラリーマンである小生は今日から夏休みに入ります。今週は、台風やら地震やらで日本列島も落ち着きませんでしたが、お盆ぐらいは帰省される皆さんが故郷で落ち着いてゆっくりくつろげることを祈ります。
そこで、クラシック音楽を聴くのも何となくいまひとつの気分になる暑苦しい時期ですので、たまには「サマースペシャル」ということで、クラシック以外の記事にしてみようかと思います。
さて「真夏に聴くベストミュージックは何か?」と質問されたとしたら、サザンとかチューブとかあるいはワイルドワンズ(古い!)とか色々挙げられるでしょう。ですが僕が挙げるとすればやはりブラジル音楽のボサノヴァです。そして、なかでも1曲選ぶとすればやっぱり「イパネマの娘」です。この曲のあの、けだるい雰囲気は何とも言えません。体の力が全部抜け切って、すっかりだらしなくなってしまいます。
かつてのボサノヴァ音楽の中心的存在であったジョアン・ジルベルトが、ジャズの人気サクソフォンプレーヤーであるスタン・ゲッツと共演して録音したアルバムが「スタン・ゲッツ/ジョアン・ジルベルト」です。「イパネマの娘」はこのアルバムに収録されています。話は少々逸れますが、最近「1Q84」が大変なベストセラーとなって話題の村上春樹さんが以前に書いた著書「意味が無ければスイングは無い」の中でスタン・ゲッツのことを取り上げていました。村上さんは無類の音楽好きなのですが、愛好するジャンルの巾の広さは驚くほどです。実はかくいう自分もクラシックに限らず広いジャンルの音楽が好きなのでとても興味深かったです。
このアルバムは、発売された1963年当時のグラミー賞も受賞しましたし、「イパネマの娘」の世界的大ヒットもあり大変なベストセラーとなりました。その音楽はは50年近く経った現在耳にしてもとても新鮮に響きます。ところが録音の時のエピソードを知ると、「イパネマの娘」であのなんとも魅力的なヴォイスを聞かせる女性アストラッド・ジルベルトは当初は参加予定が無く、たまたま旦那さんのジョアン・ジルベルトに付き合って飛び入り参加しただけだったそうなのです。ですのでスタン・ゲッツはジョアン・ジルベルトに「あんたの奥さんのギャラは要らないだろ」とか言ったとか。その真偽の程はともかく、このアルバムは売れに売れたので参加者全員がハッピーな思いをしたことでしょう。なんでもジョアン・ジルベルトはスタン・ゲッツの演奏がボサノヴァのリズムとは違うと文句たらたらだったそうですが、そんな事はどうでも良いぐらいにボサノヴァとジャズが見事に融合していると思います。
真夏のけだるくなるような暑い午後、冷房のきいた室内でも、クソ暑い屋外でも、ひとたびこの音楽を聴くと幸せな気分になります。そんな音楽が他に有るでしょうか。
<パーソネル> スタン・ゲッツ(テナーサックス)、ジョアン・ジルベルト(ギター/ボーカル)、アストラッド・ジルベルト(ボーカル)、アントニオ・カルロス・ジョビン(ピアノ)、トミー・ウイリアムス(ベース)、ミルトン・バナナ(パーカッション)
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コメント
ハルくんさん、saraiです。
またまた、意外なところを突いてきましたね。
saraiも若かりし頃に夢中になりました。本来はボサノバといっては、アストラッドではなく、ご主人のジョアンでしょうが、実はsaraiは女声フェチ。ボサノバといったら、なんといってもアストラッド・ジルベルトです。あの不安定な音程がたまらなく好きです。もちろん、クラシックでは大のソプラノファンですが、ZARD、中島みゆき、ユーミンなどなど、音楽ジャンルによらずに女声が大好きです。ちなみにまずは声が一番で姿・形はその次ですよ。最近も昔懐かしいジリオラ・チンクエッティのCDをネットで探しまくりました。
あ、話題が少しずれましたね。夏にボサノバは合うかも知れませんね。saraiの夏休みは15日からですが、久しぶりに棚からCDを探して、「イパネマの娘」を聴いてみましょう。ありがとうございました。
では、また。
投稿: sarai | 2009年8月12日 (水) 13時28分
saraiさん、こんにちは。
いやーsaraiさんもボサノヴァがお好きでしたか!いいですよね~アストラッド・ジルベルトの声は実に。
>実はsaraiは女声フェチ
いや僕も女性フェチなんですよ。女性は可愛いですよね~。時に天使にも悪魔にもなりますが。あっ、「女声」でしたね。(笑)
僕はミーハーなので姿・形・声の順番は微妙なところです。
ジリオラ・チンクエッティの「雨」は懐かしいです。僕はジョニ・ミッチェルの「青春の光と影」なんてのも大好きな歌でした。
投稿: ハルくん | 2009年8月12日 (水) 15時15分
ハルくんさん、saraiです。
もちろん、saraiだって、女性フェチでもありますよ(笑)。でも、ここでの話題は音楽でしょ!!
チンクエッティの「雨」って、トヨタのCMに使われてたやつですよね。結構、若い人も知ってるみたいですね。
saraiは「夢見る想い」(ノノレター、ノノレター、・・・・)とか「花咲く丘に涙して」とかが好きなんです。
学生時代の下宿生活が脳裏によみがえります。
では、また。
投稿: sarai | 2009年8月12日 (水) 16時30分
いいですよね、ボサノヴァ(嬉)
私も、学生のころはアストラッド・ジルベルトの
レコードをしょっちゅう聴いていました。
よかったですよね、彼女。
去年の10月に、小野リサさんが、
アントニオ・カルロス・ジョビンの
息子と孫の親子と一緒にコンサートしてるのを
テレビで放送したので、その録画を
聴いています。
これも、なかなかのものです(嬉)
テニスまで、同好の士ということで、とても
嬉しいです。
これからも、よろしくお願いします。
勝手ながらリンクさせていただきました。
投稿: 四季歩 | 2009年8月12日 (水) 20時58分
saraiさん、こんばんは。
いや女性に滅法弱い小生はしょっちゅう触れてしまいます。って痴漢では無いですよ、話題に触れるということです。文章はムズカシイなぁ…(笑)
そうです。「雨」は当時のサンレモ音楽祭でグランプリだかを獲って一躍有名になり、日本でも大ヒットしました。他にも良い曲がいっぱい有ったのですね。僕もCDが欲しくなりました。
投稿: ハルくん | 2009年8月12日 (水) 21時01分
四季歩さん、こんばんは。
おお、四季歩さんもボサノヴァ・ファンでしたか!アストラッド・ジルベルトでこんなに盛り上がるとは思いませんでした。
リンク頂きましてありがとうございました。こちらにも早速リンクさせてもらいますね。
どうぞ宜しくお願い致します。
投稿: ハルくん | 2009年8月12日 (水) 21時06分
ハルくんさん、こんばんは
丁度今日の昼過ぎ、ゲッツ/ジルベルトを聴いていました。ベースが加わってくるところや、アストラッドの歌声(これは、後から録音したらしいのですが)のところ等、知っていながら何時聴いても期待してしまう楽しみがあります。リオ・デジャネイロには2度行きましたが、犯罪の多いところなので、注意しながらそこそこ楽しんだ次第。
夏の音楽として、ジルベルトと並んで、”ビーチボーイズ”を思い浮かべます。鼻に抜ける歌声を聴きながら、底抜けに青い空と海を想い浮かべるのもいいものです。
投稿: HABABI | 2009年8月12日 (水) 21時15分
HABABIさん、こんばんは。
おお、HABABIさんもゲッツ/ジルベルトファン、しかも今日聴かれていらっしゃったとは!
実は小生も今日の昼過ぎにビーチボーイズを聴いていました。「ペットサウンズ」と「ライヴ・イン・ロンドン」です。いや実に偶然ですね~。
やはり夏のイメージということでしょう。
投稿: ハルくん | 2009年8月12日 (水) 21時25分