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2009年5月23日 (土)

ヨハン・パッヘルベル 「カノン」ニ長調 名盤 ~人生のカノン~

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通称「パッヘルベルのカノン」。この曲は、とっても親しまれていて有名ですね。皆さんもよくご存知のことと思います。実は僕も、昔からこの曲が大好きなのですよ。

作曲者のヨハン・パッヘルベルはドイツの中南部で活躍した音楽家ですが、元々はオルガニストで、オルガン音楽の発展に貢献した人です。

この曲は本来「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ」という曲です。但し、普段は前半の「カノン」の部分だけで演奏されるのは珍しくありません。

それにしても、この「カノン」はなんと優雅で心優しいメロディなのでしょう。僅か5分前後の短い曲なのですが、通奏低音が流れ始めたとたんに何か心が癒される気分になってしまいます。そして3声部に分かれたヴァイオリンが静かに入ってくるともうたまりません。心はうるうる状態です。曲が段々に盛り上がってゆき、ヴァイオリンが歌い十六分音符で駆け回れば、優雅な落ち着きだけでなくて非常に心を駆り立てられます。

この曲は、よく街中なんかでもBGMとして流れていたりしますが、僕はそんな喧騒の中ですらハッと耳を奪われて、思わず涙腺が緩んだりしてしまいます。この曲を聴いていると、何だかノスタルジックな気持ちに誘われて、過去の人生や現在の人生、あるいは多くの友人たちとの出会い、そして愛する人との出会いと別れ・・・。そういった様々な思いが次から次へと走馬灯のように心に浮かんでは消えてゆくのです。それは正に「人生のカノン」のように思えます。でも、この曲は決して感傷的では無く、ずっと肯定的な気分にさせてくれます。
僕はそんな風に感じるのですが、皆さんはどうでしょう?

この曲の僕のCD愛聴盤をご紹介します。

Cci00038 僕の好きなCDは、少し古いのですがフランスのジャン=フランソワ・パイヤール指揮パイヤール室内管弦楽団の演奏です。昔、NHKFMの朝の名曲の時間のテーマ音楽として使われていた演奏です。ですので「カノン」というとこの演奏がすっかり身体に刷り込まれてしまったみたいです。現在のバロック演奏のスタイルとはかけ離れて、ゆったりと過剰なほどにロマンティックに演奏しています。時代遅れと言えばそれまでなのですけれど、だからこそ逆に良いのです。懐かしい気分たっぷりで疲れた心をとことん癒してくれます。このCDは名曲集なので他にも沢山曲が入っていますが、やはり「カノン」が白眉です。パイヤールにはRCAの再録音盤も有りますが、僕の好きなのはこの懐かしいエラート録音の旧盤です。

Cci00038b もっと新しい演奏ならば、古楽器派の名アンサンブル、ラインハルト・ゲーベルとムジカ・アンティカ・ケルンのCDが有ります。いつも彼らのように、実にスピーディな演奏なのですが、3本のヴァイオリンの絡み合いはニュアンスとセンスに溢れた名人芸で最高です。さすがにムジカ・アンティカ・ケルン、独特の味わいが有ります。僕はこれも大好きなのです。でもカノンの後にジーグを演奏しても5分かからないというのは驚異的。「カノン」だけで比較すると、パイヤールが7分10秒かかっているのに対してこちらは僅か3分5秒と倍以上の速さです。ちょっと早く終わり過ぎるかな。人生はこんなに早く駆け抜けたくは無いですねぇ。

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ドイツ、オーストリアのバロック音楽(パッヘルベル、ビーバー、シュッツ他)」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。

僕もパッヘルベルのカノンが大好きです。
何度聞いても飽きることなく、身も心も流れ出る音にひたっています。

演奏はパイヤール盤が一番のお気に入りです。エラートによる旧盤は最高ですね!これ一枚さえあれば他はいらないと思うほどです。

投稿: よんちゃん | 2009年5月24日 (日) 08時30分

よんちゃんさん、おはようございます。

カノンはこんなに短い曲ですが素晴らしいですよね。パイヤールはとてもゆったりと演奏するので曲をたっぷりと味わうことができますね。私は他の演奏は不要とまでは思いませんが、一番好きな演奏なのは確かです。

投稿: ハルくん | 2009年5月24日 (日) 08時42分

おはようございます。
朝からパッヘルベルだと雨模様のお天気でも爽やかな気分になれますよね。
パイヤールのカノンはとてもいいですね。

このカノンは私の学校ではいつもっ卒業証書授与のときに流れていたんです。
いい曲だなと思って先生にお伺いしたらパイヤールのカノンを教えていただきました。

中学校の卒業式は上の学校に上がるのでさほど印象のない卒業式でしたが、
やはり高校の卒業式は泣けて泣けて・・・。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
このパッヘルベルは「はるりんお嬢様(笑)」の旅立ちの曲でもあるわけです。。。
ですので、ハルくんさんの感傷的でなく肯定的な気分にまちがいなく「1票」ですね。

投稿: はるりん | 2009年5月24日 (日) 08時59分

はるりんさん、おはようございます!

なーるほど、この曲は「はるりんお嬢様の旅立ちの曲」なのですねー。(^g^)

そうですよね、卒業式は別れと新たなる出会いに向かっての出発ですものね。この曲を選曲された先生もそういうイメージだったのですね。
むろん人により受止め方は異なるでしょうけど、これは結構普遍的なイメージのようですね。どうもありがとうございました。

雨模様のお天気ですが良い日曜日をお過ごし下さい!


投稿: ハルくん | 2009年5月24日 (日) 09時20分

この曲の低音部の進行はとてもよくあるパターンなので、いろいろな有名なメロディをかぶせると合いそうです。平均律の1曲目にアヴェマリアをかぶせるように。

投稿: かげっち | 2009年5月27日 (水) 11時58分

かげっちさん、こんばんは。

この曲の通奏低音ですが、昔あれっ、と思ったのが山下達郎の「クリスマスイヴ」なのですよ。あれはきっとパクリだと思いますね。それが証拠に中間部のスキャット風の部分が「カノン」にまるでそっくりなのです。

投稿: ハルくん | 2009年5月27日 (水) 22時54分

「クリスマス・イブ」の「カノン」なのですが山下達郎自身がラジオで話していました。
もともとあの曲は竹内マリアのために書いたのですが、竹内マリア側から「こんな8ビートで古臭いもの売れない」と言って突っ返されたとかで・・・それなら自分で・・・つ~ことで思いっきり遊んだらしいです。途中でなんか寂しいってことで思いつきで「カノン」を入れたって本人が言ってました。こんなに売れるとは思っていなかったそうです。
スキャットはすぐにわかりましたが通奏低音までは気が付きませんでした・・・

PS
私も学生の頃いつも神保町をうろうろしていましたが・・・知りませんでした。今度行ってみます(^^)


投稿: はるりん | 2009年5月28日 (木) 07時50分

はるりんさん、重要な証言をありがとうございます。

山下容疑者は状況証拠から限りなくクロに近いと前々からニラんでいましたが、これで確信を得られました。とっくにパクリを周囲にもらしていたのですねぇ。盗作曲を愛人に貢ごうとして拒絶されたので、自分で一儲けしたということでしたか。ただし著作権はとっくに切れていますからこの場合は不起訴ですね。著作権詐欺事件の某音楽プロデューサーK氏のように逮捕はされないでしょう。(笑)

投稿: ハルくん | 2009年5月28日 (木) 12時38分

ハルくん、こんばんはnight

超お久しぶりですheart04heart04heart04
『カノン』は私が中学生の頃に音楽の授業で習いましたよsign03リコーダー演奏noteしたことがありますよ(*^▽^*)heart04heart04heart04実は私、中学2年生の時にリコーダーのテストで一番を取ったことがありますnotenotenoteしかも曲名は『カノン』にてですheart04heart04heart04heart04

細田先生「瑶子ちゃん、やるじゃないsign032年3組ではリコーダーのテストが一番ですよsign01sign03これからも腕を磨きなさいsign03

よう子「はいsign01わかりましたsign03

『カノン』の曲をリコーダーで演奏したのは事実ですよnotenote高校生の頃にはカノンの二長調を演奏したことがありますよ(^з^)-☆Chu!!heart02heart02heart02

投稿: 上原よう子 | 2012年12月15日 (土) 21時19分

よう子さん、おはようございます。

よう子さんはリコーダーが得意だったのですね。
通奏低音と旋律と二つに分かれて吹いたら、きっと素敵でしょうね。

投稿: ハルくん | 2012年12月16日 (日) 11時36分

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