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2009年4月30日 (木)

ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 日本公演 リヒャルト・シュトラウス

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ドレスデン国立歌劇場管弦楽団が日本に来ています。既に関西公演を終えて現在は東京公演中です。そこで今日はサントリーホールでのオール・リヒャルト・シュトラウス・プログラムを聴きに行ってきました。指揮はイタリア人の音楽監督ファビオ・ルイジです。

この楽団は言わずと知れた世界最古のオーケストラです。もともとは宮廷楽団として発祥しましたが、以来、古都ドレスデンの歌劇場の専属オーケストラとして今年で461年という実に長い歴史を刻んで来たのです。元々は酒場の楽団であったベルリンフィルが正式にオーケストラとしてスタートしたのが130年ほど前ですから、いかにこのオーケストラが長い歴史と伝統を持つかが分かりますね。とは言いましても音楽は生きた芸術です。美術品ならば適正に保存されていれば良いのですが、構成団員は命に限りが有りますから常にメンバーが交代します。変わらずに歴史を受け継ぐのもそう簡単なことではありません。

彼らは2年前にオペラハウスとして来日して、僕はその時には東京文化会館で「タンホイザー」を聴きに行きました。あれほど質の高いドイツオペラの音を聞かせることが出来るのは他にはウイーン歌劇場とベルリン歌劇場、次いでバイエルン歌劇場ぐらいではないでしょうか。

今日の曲目は「ドン・ファン」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」「英雄の生涯」です。もちろん2年前の文化会館でのワーグナーも素晴らしいものでしたが、今回のオーケストラコンサートの音は圧倒的でした。といってもキンキラ輝くような音とは全く異なる、実に深々と落ち着いた音なのです。管楽器や弦楽器の全てがまろやかに溶け合っていて、昔からよく言われる「いぶし銀の響き」、まさにそれです。アンサンブルも優秀ですが、機械的な冷たさは微塵も有りません。このような伝統的なドレスデン・サウンドが何年経っても変わらずに継続されているのは奇跡でしょう。特に後半の「英雄の生涯」はルイジの指揮とメンバーの気迫が一段と増して圧巻でした。アンコールはウェーバーの歌劇「オベロン」序曲。かっちりと厳しく統制されたマルカート奏法で推進力に満ち溢れた演奏はこの楽団の真骨頂。まさに最高でした。このような純正ドイツの音を出させたら、やっぱり世界一の楽団だと思います。

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リヒャルト・シュトラウス」カテゴリの記事

コメント

 きゃー! なんてこと!
 何を隠そうファービーの大ファンなのです。こちらでもコンサートがあったのですが、チケットが高くて高くて高くて。
 あの颯爽としたというか溌剌とした振りっぷりが好きなのです。うわぁ、お聴きになったのですね。「黄金の宮廷サウンド」だなんて、そそられるチラシです。楽団との相性も良好なようですし、なんとかして一度聴きたいと思っています。

 そういえば冬のマリインスキー、東京公演は一部ゲルギエフ氏が振るそうですね。行かれますか?

投稿: すい | 2009年4月30日 (木) 20時26分

すいさん、こんばんは。
ちょっとご無沙汰してしまいました。

すいさんはファービー・ファンでしたか!
そう、振りっぷりは見事ですね。今回はステージ裏側のP席でしたので指揮姿を正面からまざまざと観る事が出来ましたよ。いーでしょー。(自慢してゴメンね。)
いぶし銀の楽団と颯爽とした指揮が案外バランス良いと思いますよ。

マリインスキーですねー。「イワンと仔馬」がゲルギエフでしょう。平日なので行けません。行くなら日曜日の「白鳥の湖」かなぁ。すいさんも東京まで観にいらっしゃれば?

投稿: ハルくん | 2009年4月30日 (木) 22時01分

うらやましい。当地ではまずこんな豪勢なステージはありません。福岡まで行かなければ。でもそのために仕事を早じまいできるかというと当日までわからないし、下手すると当夜のうちに家まで帰れないし、悲しいです。

ドレスデンの響きは何とも言えないですね、華やかともいえるし豊かともいえるし。低弦やホルンの響かせ方が実にドイツ的ではないかと思います。

投稿: かげっち | 2009年5月 2日 (土) 23時31分

こんばんは。
お久しぶりです。

ドレスデン聴きに行かれたんですか。
羨ましい。
拙者の地元でも先月の27日にコンサートが
ありました。
チケットが高すぎて行けません。
無念。
イタリア人のRシュトラウスですか。
どんななんでしょう。
聴きたい!
伝統のドイツのサウンドにイタリアの熱い情熱が
加わっていたのではないでしょうか。
圧巻だったと記事に書かれておられるので
拙者の想像をきっと超えてるに違いない。
いずれ海外の一流どころのオケの来日コンサートへ
行くつもりです。

投稿: kurt2 | 2009年5月 2日 (土) 23時56分

かげっちさん、こんばんは。

ドレスデンの響きは大好きなのですよ。
70年代は最強だと思っていましたが、現在でもなかなかどうして素晴らしいです。
ウイーンフィルの滑らかで澄んだ音が「絹ごし豆腐」あるいは「更級蕎麦」だとすれば、ドレスデンの厚みのある音は「木綿豆腐」か「やぶ蕎麦」です。どちらが良いということではなく、それぞれの味わいが素晴らしいのですね。

投稿: ハルくん | 2009年5月 3日 (日) 00時26分

kurt2さん、こんばんは。

「伝統のドイツのサウンドにイタリアの熱い情熱」
ええ、まさにおっしゃられるとおりでした。余り音楽に含蓄の無いRシュトラウスなので合っていたと思いますよ。

ウイーンフィルやシカゴ響程ではないですがチケットは高いですよね。私はサントリーの場合は大抵Pブロック席です。一番安くて音も悪くないCPの高い席なので東京の方にはお薦めです。

投稿: ハルくん | 2009年5月 3日 (日) 00時32分

最近、4月に出版された『シュターツカペレ・ドレスデン 奏でられる楽団史』(慶応義塾大学出版会)を購入しました。
まだ殆ど読んでいないのですが、まだ生で聴いていないSKDサウンドに思いを馳せながら、週末読書したいと思います

投稿: たろう | 2009年6月11日 (木) 00時10分

たろうさん、こんばんは。

SKDの生の音、次回はお聴きになられることが出来ると良いですね。ウイーンフィルとは違ってチケットは手に入り易いですが、音の素晴らしさはタイプこそ違え充分に匹敵するものです。
時を経ても変わらぬ音は「オーケストラのガラパゴス」と言えるのではないでしょうか。(笑)

投稿: ハルくん | 2009年6月11日 (木) 00時46分

ハルさん、初めまして。
saraiです。
シュターツカペレ・ドレスデンってことで、この記事を遅ればせながら、読ませていただきました。
私は4月25日に川崎で聴きました。R・シュトラウスのプログラムでした。この公演を聴いた後、連休はヨーロッパに出かけて、ウィーンでネトレプコの椿姫を聴いて大感激し、ドレスデンの印象が薄まっていました。
でも、現在、シュターツカペレ・ドレスデンはsaraiが注目するオケのベスト5にはいっているくらい、お好みです。川崎がオペラ以外では初めて聴いた演奏でしたが、期待通りの演奏でした。このところ、シカゴ、コンセルトヘボウと世界に名だたるオケで続けざまにR・シュトラウスを聴きましたが、決して、ひけをとるものではありませんでした。ただ、ハイティンク+シカゴが強烈に素晴らしかったのは確かですが・・・。でも、ルイージとのコンビの今後が楽しみですね。
昨年、ドレスデンでルチアを見ましたが、残念ながら、指揮はルイージではありませんでした。このブログには、ファービーファンがいらっしゃいますが、当地ドレスデンでもファービー人気は大変なもののようで、ドレスデン中央駅には、超巨大なルイージのポスターが天井から吊り下げられていました。日本の鉄道駅で指揮者がそのような扱いを受けるのは想像できませんね。
因みに現在、ルドルフ・ケンペ指揮のシュターツカペレ・ドレスデンのR・シュトラウス管弦楽作品全集を聴いているところですが、なかなかよいですね。
では、また。

投稿: sarai | 2009年7月10日 (金) 23時41分

saraiさん、はじめまして。
丁寧で詳しいコメントを頂きましてどうも有り難うございます。
ウイーン、ドレスデン紀行も楽しく読ませてもらいました。ネトレプコの「椿姫」ですか。僕はDVDでしか観ていませんが、彼女はいいんですよね~。最近は益々艶っぽくなって正に我々おじさんのアイドルです。(笑)
それにしても本場ヨーロッパでみるオペラの味わいは最高ですよね。僕も3年前にミュンヘンで「神々の黄昏」を楽しく観ました。それ以来は日本でしか観ていません。

シュターツカペレ・ドレスデンは昔からとても好きな楽団で、ウイーンフィルと双璧と思っています。個人的には機能的な楽団よりもローカルの味わいを感じる楽団の音が好みなのです。そういう点では他にもチェコフィルとかヘルシンキフィルとかは好きですね。ただしそれぞれの楽団の音には作曲家との相性が有るわけでケースバイケースといったところです。

それにしても良いコンサートを随分たくさん聴いていらっしゃいますね。これからも楽しいご感想を是非色々とお聞かせ下さい。宜しくお願いします。

追伸:大変申し訳ないのですがゲストには編集機能は有りませんので、コメントをこちらに移動させてもらいました。ご了承ください。

投稿: ハルくん | 2009年7月11日 (土) 00時11分

ハルさん、saraiです。
コメントの移動、ありがとうございました。
その上、saraiの旅行記まで、発見し、読んでいただいたとのこと。
驚き、かつ、感謝です。
現在、トスカーナ・アッシジの旅行記が進行中で、最後にウィーンでのオペラに達します。
ところで、記事をアップした直後に、ルイージがチューリッヒ歌劇場の音楽総監督に2012年から、就任するというニュースが流れてきましたね。ドレスデンはどうなるんでしょうね。
来年、チューリッヒ歌劇場を訪問する計画を練っているところですが、音楽監督は丁度、谷間でしょうか?
シュターツカペレ・ドレスデンも今後、まだまだ変動がありそうですね。
では、また、どこかにコメントさせてくださいね。

投稿: sarai | 2009年7月12日 (日) 01時27分

saraiさん、こんにちは。

ルイージは完全にチューリッヒに移るのではないでしょうかね。2つのメジャーなオペラハウスのかけもちはとても出来ないのでは?
個人的にはドレスデンはドイツ系の指揮者に監督をして欲しいと思うのですが、そんな人は昔と違って余り居ませんからね。それでドレスデンの純ドイツ的な響きが変わるとも思いませんが、イタリア人監督が続いてばかりだと少々心配してしまいます。

saraiさんのブログにもお邪魔させて頂きますので宜しくお願いします。それではまた!

投稿: ハルくん | 2009年7月12日 (日) 07時33分

こんばんは。

ブロムシュテットと同オケの「英雄の生涯」DENON盤を聴きましたが
すばらしい幸福感に包まれております。

ウィーン・フィルともベルリン・フィルとも違う独特の響き
「豪華だが決して下卑ではない」とでも申しましょうか?

実演では1985年11月に同コンビで
ブルックナー「第4」を聴きました。
ドイツ統一寸前だったとおもうとなおさら財産ですね。

投稿: 影の王子 | 2016年12月 8日 (木) 20時58分

影の王子さん、こんばんは。

ブロムシュテット/SKDの「英雄の生涯」は持っていませんが良いでしょうね。
ケンペ/SKDのCDは持っていますが、ケンペはむしろ同時期のライブ録音が素晴らしいと思います。

このオケとウイーンフィルの音だけはどこも真似できませんね。正に双璧だと思います。
来日公演の料金がもう少し安ければ毎回聴きに行きたいのですがなにせ高価ですね。

投稿: ハルくん | 2016年12月 8日 (木) 22時44分

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