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2009年3月14日 (土)

シベリウス 交響曲第2番ニ長調op.43 名盤

シベリウスの交響曲の中で最も親しみやすく分かり易い曲です。ところが、それが逆にアダになってシベリウス・フリークの間では一段低い評価になっているのかもしれません。確かに後期のあの何処までも深遠な曲想と比べてしまえば音楽に深みが欠けるのは事実です。それでも第1楽章導入部の弦によるスタッカート・スラーの伴奏形からしてとてもユニークですし、中間部の劇的な盛り上がりも感動的です。また第2楽章の暗く荒涼たる雰囲気の味わいや、第3楽章から第4楽章への移行の見事さなど、シベリウスならではの独創性、斬新さが見られて、やはり魅力的な曲だと思います。

僕が高校生の時に最初に手にしたこの曲のLPレコード(CDでは有りません)は、セルゲイ・クーセヴィツキー指揮ボストン響のモノラル盤でした。何故それを選んだのかは憶えていませんが、余り曲の魅力を表わしている様には感じられませんでした。次に買ったのはバルビローリ指揮ハレ管のものです。これにはとても感動しました。適度の荒々しさと豊かな歌心が気に入ったのです。70年代当時のシベリウス演奏と言えばカラヤンを聴かなければ、やはりバルビローリだったのでは無いでしょうか。しかし80年代後半から次々と登場した自国フィンランドや北欧の優れた演奏家たちの録音の前ではそれ以前の演奏達はすっかり色あせてしまった感が有ります。

僕が体験した生での名演と言えばネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団の日本公演です。これはとにかく音色自体が驚きでした。どこの国の楽団とも違う暗くくすんだ音色はロシアともドイツとも全然異なりました。なにか北海の荒波に飲み込まれるようなスケールの大きさとも相俟って、非常に感動的でした。それ以前にBISに残されたこのコンビのCDで聴く音色とも全く違いました。速すぎるテンポでせわしないBIS盤とは比較にならない名演奏だったのです。その後のグラモフォンへ録音した新盤も、あの魅力的な響きを充分再現しているとは言い難いのですが、ずっと落ち着いたテンポによる名演奏だと思います。

さて、それでは僕の愛聴盤についてご紹介します。

Sibelius-71ymbpadpl__aa1417_ オッコ・カム指揮ベルリン・フィル(1970年録音/グラモフォン盤) 若きカムが第1回カラヤン指揮者コンクールに優勝した記念として録音されました。堂々とした指揮ぶりに感心しますが、一方ハッタリの無い純粋なシベリウスの音楽が感じられます。問題はベルリン・フィルの音です。第一に、金管の咆哮する音がシベリウスの美感を損ねています。第二に、弦楽器のカラヤンの演奏で聞かれるような粘る弾き方です。後述するヘルシンキ・フィルの来日公演では、このような弾き方は見られません。全体としてはとても良い演奏なのですが、手放しで絶賛することが出来ません。

Sicci00019 オッコ・カム指揮ヘルシンキ・フィル(1982年録音/TDK盤) ヘルシンキ・フィル初来日の時の大阪フェスティヴァルホールでのライブ録音です。ここでもTDKの録音は非常に優秀です。第2番はオッコ・カムが振りました。カムは結構ロマン的な資質を持っていますので、ゆったりとしたテンポでこの曲の叙情を歌い上げます。それでも他の国の演奏家のようにシベリウスの音楽から離れて行ってしまうようなことは有りません。大げささが全く無いのに非常に感動的です。ライブでこれほど完成度の高い演奏を行えるヘルシンキPOの実力にも本当に感心します。このCDではアンコールの非常に感動的な「フィンランディア」が聴けるのも嬉しいです。今日久しぶりにこのフィンランディアを聴いてちょっと泣けてきました。

51xbpaqnqql__ss400__3 パーヴォ・ベルグルンド指揮ヘルシンキ・フィル(1986年録音/EMI盤) ベルグルンド/ヘルシンキ・フィルのシベリウスはどれもが最も安心して聴ける正に「リファレンス」と言っても良い演奏ですが、この第2番にも心から満足させられます。1楽章のテンポが幾らか速めに感じますが。確かに楽譜の速度指定からすればこのテンポは正しいですし、ネーメ・ヤルヴィのBIS盤と比べればそれほど抵抗はありません。トゥッティでは壮絶さをも持ち鳴らしますが、決して騒々しいことは無く、しっかりと節度を保つのが凡百の指揮者のシべリウスとは異なります。

253 ユッカ=ペッカ・サラステ指揮フィンランド放送響(1993年録音/FINLANDIA盤) これもサンクトべテルブルクでの全曲ライブ録音の一つです。これももちろん悪い演奏では無いのですが、録音がこもり気味なのが残念です。これなら同じライブ録音でもTDKのほうがむしろ優れていると思います(流石は世界のTDK!)。早過ぎないテンポには好感が持てますが、演奏全体に彫りの深さ不足を感じ無いでもありません。もっともそれは非常にハイレベルでの比較であって、一般の演奏に比べれば遥かに素晴らしいと思います。フィナーレの壮大な盛り上がりも充分に感動的です。

643 オスモ・ヴァンスカ指揮ラハティ響(1996年録音/BIS盤) ヴァンスカは結構表現意欲のある人で、それがハマった時には絶大な魅力になります。管楽器の豊かなニュアンスはいつも通りですし、細部に非常にこだわった演奏をしています。ところが正直に言って少々こだわり過ぎで逆に素朴感を損ねている感が無きにしもあらずなのです。オケの音色の素朴感と不釣合いのようにも思えます。このあたりの好悪は非常に紙一重で、人によってはこれが良いと言う人も多いと思います。かくいう僕自身も惹かれる部分とわずらわしさを感じる部分とが拮抗しているのです。

Sibelius-123-jedhm6j5l_ac_ パーヴォ・ベルグルンド指揮ヨーロッパ室内管(1997年録音/FINLANDIA盤) ベルグルンド3回目の全集盤に含まれます。比較的速めのテンポで(ということは楽譜指定通り)切れ良く進みますが、分離の良い明瞭な録音が編成の小ささを明らかにしていて、この曲の壮大な広がりが余り感じられません。金管の音色の明るさも気に成ります。北欧の厳しい自然や土俗感、孤高の雰囲気の表出もいま一つというところでしょうか。

Sibelius-2-ukucjrxl_ac_ ネーメ・ヤルヴィ/エーテボリ響(2001年録音/グラモフォン盤) ヤルヴィの2度目の全集録音に含まれます。かつてこの楽団の生の音を東京文化会館で聴いたときには、BISによる旧盤での透明な響きとはまるで異なる北海の荒波のように暗く分厚い響きに驚きました。その点、グラモフォン録音は生の音により近く感じます。2番の演奏も旧盤では総じてテンポが速く、落ち着きの無さが目立ちました。新盤ではテンポが落ち着き、旋律を大きく優しく歌い、ロマンティシズムを強く感じさせて素敵です。

763 レイフ・セーゲルスタム指揮ヘルシンキ・フィル(2002年録音/ONDINE盤) 非常に素晴らしい演奏です。第1番では少々荒々しさが過ぎてしまい、個人的にはいまひとつだと思ったのですが、この曲ではそのようなことは有りません。早過ぎないテンポは理想的であり、スケールもとても大きいのですが、ヘルシンキ・フィルはここではベルグルンド盤よりもずっと繊細で美しい音を出しています。透明度の高い叙情感が何とも言えず魅力的なのです。ONDINEの録音も非常に優秀です。

Sibelius-41wzd3onu3l_ac_ サー・コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団(2006年録音/LSO Live盤) ロンドンのバービカンホールでのライヴです。管弦楽の響きが暗いのは良いとしても、柔らか過ぎていてこの曲の持つ北海の荒々しさがほとんど感じられることが有りません。英国のオーケストラはシベリウスを得意にするなどと言う世評には疑問です。もちろんデイヴィスの指揮にも責任が有り、全体的に広がりは有るものの温厚過ぎていて厳しさに欠けます。

Sibelius-444 オッコ・カム/ラハティ響(2012年録音/BIS盤) これはラハティ響との日本ツアーに合わせてリリースされた交響曲全集に含まれます。この曲にしては音の薄さが気にならなくもありませんが、シベリウスの時代に用いられていた小編成の管弦楽の再現とも考えられます。第1番と同様に、ともすれば管楽器が咆哮するこの曲に対して抑制を効かせ、逆に弦楽器のソノリティの高さによる美しさに惹かれます。前任のヴァンスカ時代の透徹した音とは異なり、円熟したカムのおおらかさが別の深い魅力を感じさせてくれます。

Sibelius-91xlcevp59l_ac_sl1500__20230212115101 クラウス・マケラ指揮オスロ・フィル(2021年録音/DECCA盤) マケラが僅か24歳でオスロ・フィルの首席指揮者に就き、専属契約を結んだデッカでの最初の録音となった交響曲全集に含まれます。1楽章を現代の指揮者には珍しくゆっくりしたテンポで開始します。北海の押し寄せる荒波を想うには響きに厳しさが足りませんが、広々とした空の大気を感じます。旋律も良く歌い、ロマンティックな美しさを醸し出します。これまでのフィンランド指揮者のシベリウスとはタイプが違います。2楽章以降もテンポは遅く、広がりは有るものの孤高の空気感に不足するのが残念です。

Sibelius-img_1715 ロベルト・カヤヌス指揮ロイヤル・フィル(1930年録音/FINLANDIA盤:EMI原盤) 歴史的録音も上げておきます。カヤヌスはシベリウスよりも9歳も年長の指揮者で、シベリウス作品の演奏に多く関わり信頼されていました。交響曲では1、2、3、5番の録音がEMIにより行われました。この2番の演奏でテンポが速いのはシベリウスの指示通りなのでしょう。その分、奏者がそれに付いていけずに演奏が破綻したり、危ない箇所が多数見られます。当然録音も古めかしいですし、通常の観賞用とするには向きません。「作曲者の意図はこうだったのではないか」という歴史資料として聴くべきです。

ということで、第2番に関して僕の最も好きな演奏はセーゲルスタム/ヘルシンキ・フィル盤とオッコ・カム/ヘルシンキ・フィルの来日ライブ盤の二つです。次点としてはヴァンスカ/ラハティ響盤、ヤルヴィ/エーテボリ響の新盤を挙げたいと思います。

次回は順番で第3番です。

<関連記事>
「若き日のオッコ・カムのシべリウス」
シベリウス 交響曲全集 名盤

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シベリウス(交響曲)」カテゴリの記事

コメント

ハルさん、こんにちは。

シベリウスの交響曲の中でも一番親しみやすい為、他の交響曲は知らなくても、第2番は知っている人が多い分、様々な演奏家による録音が残されています。

私も最初に買ったのはアシュケナージ=フィルハーモニア管(デッカ)のCDで、名曲ガイドにも載ったことのないであろう録音ですが、子供の頃、曲の素晴らしさに感動した覚えがあります。

今はベルグルンド=ヘルシンキ・フィル等のCDを持っており、愛聴していますが、ハルさんの演奏評を読んでいて、他の演奏のCDも聴きたくなってきました。

特にセーゲルスタムがよさそうですね。

CD屋で見つけたら、購入しようと思います。

投稿: たろう | 2009年3月14日 (土) 11時45分

徹夜で仕事しなければならない時は、2番の4楽章だけをリピート再生して、それでも仕事が終わらなければカレリア組曲で耳を休ませるというのが私のパターンです。それほどに、燃えます!(きっぱり)

バルビローリは確かに当時の録音の中でベストでしたね。当時フィンランドのオケの録音はいったいどうなっていたのでしょう?

さて、いくら私がクラ奏者だからといって木管パートばかり聴いたりクラのソロがある曲ばかり偏愛したりするわけではありません。木管にとって2番は必ずしも「おいしいソロが多い曲」ではありませんが大好きです。ヴァンスカは「凝り性」のようで(同じ曲を改訂前の旧版でも録音したり)おっしゃるように凝りすぎと感じることもありますね。2番みたいな曲は「熱く燃える」ことが肝要で(ライブならそれだけでよいほど)特に弦パートの熱さが必須だと思うので、細部にこだわらず楽員のノリを重視した、よどみない指揮のほうがよろしいかと。細部にこだわる曲づくりをすると、どうしてもテンポにカタルシス感が失われますから。

終楽章、ニ短調のオスティナートがついにニ長調に変わる瞬間に、徹夜仕事が完成を迎える歓喜はこたえられません(笑)

投稿: かげっち | 2009年3月14日 (土) 12時39分

たろうさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

セーゲルスタム盤ぜひお聴きになってみてください。出来れば全集盤をお薦めしたいところですが、まずは単売でもどちらでも。
録音が優秀ですのでヘルシンキフィルの澄み切った美音がとことん満喫できますよ。
ご感想を楽しみにしています。

投稿: ハルくん | 2009年3月14日 (土) 14時24分

かげっちさん、コメントたくさんありがとうございます。

60~70年代のフィンランドのオケの録音はほとんど無いですよね。チェコのオケの録音が多くあるのとは大違いです。当時の国の音楽マーケット事情とも関連しているのでしょうか?

2番の演奏は「凝り過ぎ」のヴァンスカよりも、自然のノリのオッコ・カムがやっぱり好きですね。
この曲が終わった瞬間には、「フィンランディア」を聴き終えた後のような素晴らしい開放感を感じます。イイですよね~。

投稿: ハルくん | 2009年3月14日 (土) 14時45分

こんばんは。
「第2番」は「第1番」以上に競合版が出回っていますね。
録り直している演奏家なのですが、バーンスタインはニューヨーク・フィルハーモニックでは荒々しさばかりが目立ってやりたい放題だが、ウィーン・フィルで再録した方は流麗で北欧らしさがブレンドされてます。
カムに行ってしまいますが、初録であるドイツ・グラモフォンのベルリン・フィルがあり、カラヤン・コンクール優勝した時に録音。フレッシュなサウンド。後で録音したカラヤンのよりも出来はいい。
ベルグルンドの他の「全集」ではアシュケナージ、フィルハーモニア管「全集」があり、ピアニストで鍛えた音感、リズム感とロシア演奏家ということもあり、シベリウスを良く取り上げているイギリスのオケという相性の良さが出ている。「第2番」はアシュケナージがボストン響でも取り上げていて、こちらは管楽器が魅力でライブならではの臨場感がある。魔術師的な存在です。
いずれにしてもフィナーレは最高ですね。

投稿: eyes_1975 | 2009年3月14日 (土) 22時02分

eyes_1975さん、こんばんは。
ようこそ拙ブログにお越し頂きました。

私は偏屈というかほとんど偏執的と言って良い位に本場物への執着が強いのです。これはシベリウスに限ったことではなくボヘミア音楽、フランス音楽、ドイツ音楽ほぼ全てです。ですのでシベリウスの場合ならばせいぜいヤルヴィ/エーテボリどまり、それよりも遠隔地のオケ、指揮者の演奏には全く食指を動かされないのです。アシュケナージ、バーンスタインについてはそのようなわけで聴いておりません。カムのグラモフォン盤は1、3番がヘルシンキ放送ですね。ヘルシンキフィルとの超名演が有るので聴いていませんが、機会有れば聴いてみたいです。ただ2番はベルリンPOなのでそれほどでは有りません。
イギリスの楽団、指揮者は昔から頻繁にシベリウスを取り上げますが、正直言ってフィンランドの楽団ほどの適正は感じられませんね。まあ、当然と言えば当然のことでは有りますけれど。
以上、偏屈親父のたわごととどうか軽く聞き流してください。(苦笑)


投稿: ハルくん | 2009年3月14日 (土) 22時29分

こんなやりとりをしていた矢先に昨夜のN響アワーでは、ファンが選んだ今年度の名演第でブロムシュテットによるシベ2が第3位に入っていましたね。4楽章だけ聴いたのですが、指揮はよい、オケも昔よりはまし、でも気合いや体力がついていっていないという感じでした。Trpが肝心のところで一発外しましたし、長調に変わる瞬間の鮮烈な喜びも感じられない・・・いわゆる「録音を聴いてはいけない名ライブ」だったように思います。

投稿: かげっち | 2009年3月16日 (月) 12時50分

かげっちさん、こんばんは。

N響アワーご覧になったのですね。私は昨夜は次回に備えてシベ3を聴きこんでいました。(^^)

ブロムシュテットのシベリウスはサンフランシスコ響との全集が有りますが、アメリカのオケとは思えない清浄な音になかなか感心した記憶が有ります。ですので、今回のN響定期もよほど聴きに行こうかと思ったほどです。(結局行きませんでしたが)
日本のオケは生で聴いているぶんには楽しめる演奏も有りますが、録音での鑑賞に耐えうる演奏と言うのは非常に稀だと思います。日本のトップオケよりもドイツのローカルオケの方がずっと上手いのですから寂しいものです。
それにしてもシベリウスはあの独特の音色を出すのが難しいですね。フィンランドのオケが自然に出せる音を世界の一流オケでもなかなか出せません。もっとも吹き間違え、息切れしてしまってはそれ以前の問題ですがね。(苦笑)

投稿: ハルくん | 2009年3月16日 (月) 22時19分

そういえば東京には、シベリウス及び関連曲しか演奏しないアマオケがあるそうです(爆)mixiで知り合った同郷のフルート奏者が在籍しています。

その名もアイノラ交響楽団、シベリウスのみというポリシーを理解する稀有の指揮者新田ユリさんという方に恵まれ、こんどの日曜には6回目の定期を迎えるとか http://www.ainola.jp/

これを聴いたブロムシュテットが「素晴らしい!」と評したとか・・・

投稿: かげっち | 2009年3月19日 (木) 12時15分

かげっちさん、こんばんは。

シベリウスだけしか演奏しないオケですか~。素晴らしいですね。
そういえば以前ショスタコーヴィチばかりやっているアマオケも有りましたが、今はどうなったしょう?でも私が入団するならやっぱりアイノラ響でしょう。(笑)

今回は4番ですか。チェロのソロが聴きものですね。頑張ってほしいものです。今週はちょっと聴きに行けそうも無いので残念です。

投稿: ハルくん | 2009年3月20日 (金) 00時12分

>ハルくんさま

演奏者としてはシベリウスに限らずいろいろ奏きたいと思うのですが、シベリウスを奏ける機会は少ないと思うので、こういうオケと普通のオケと両方に入ることができたらいいな、などと妄想しています。(残業・休日出勤のない生活でなければ無理ですが)

実際に奏いたことがあるのは、フィンランディア、7番、カレリアの行進曲だけです。

投稿: かげっち | 2009年3月21日 (土) 23時40分

かげっちさん、いつもコメントありがとうございます。

私は学生時代に「2番」と「カレリア組曲」を演奏しました。
いいですね、好きな作曲家ばかりを出来るオケというのは。ただ、そうなると浮気者の私は他にもブラームス管、シューマン管、マーラー管等沢山入団しなければなりません。でも「ブルックナー管」だけは遠慮するかなぁ。鑑賞するだけで充分です。(笑)

投稿: ハルくん | 2009年3月22日 (日) 09時36分

ハルくん様

morokomanです。

夜になると、秋の虫達が鳴く季節になりました。もう「盛夏」は終わってしまったと感じます。

さて、以前も書きましたが私にとって「盛夏はシベ2の季節!」なのです。シベ2の明るさが、夏の気圧の高さに通じるところがあると感じるからです。

で、今まではベルグルンド/ヘルシンキ・フィルが私にとっての第1の名盤でしたが、このところその価値が揺らいでします。

きっかけは昨年入手した宝物-ハンニカイネンの一連の録音を聴いてからです。

その中でも、最高の一品は、20年以上かけて追い求めていた『4つの伝説』でもなければ『ヴァイオリン協奏曲』でもありませんでした。

『ヴァイオリン協奏曲』の「余白」に収められた


              交響詩 タピオラ


でした。私にとっては最高の名演……眼から鱗どころではなく、シベリウスの音楽に対する考え方、アプローチを根底から覆すものでした。

カラヤンの三種類の録音など比較の対象にすらなりません。そしてベルグルンドの四種類の録音ですら……。

このときに思ったのです。


        ベルグルンドが、最上というわけではない。


私の中の「ベルグルンド第1主義」が揺らぎました。そのとき、あらためてほかの演奏を聴きなおしてみると、今まで見えなかった素晴らしさが見えてきました。

初夏の時に書いた「渡邊/ヘルシンキ・フィルが素晴らしい!」というのもをの時のものです。今ではシベ1は渡邊/ヘルシンキ盤が私にとってのNo.1です。

そして、シベ2も。今の私のシベ2のベストは


           オッコ・カム/ヘルシンキ・フィル


です。シベ2の「原曲」とも言える『フィンランディア』と併せても、最高の演奏です。

今まで、なんでこの素晴らしさが充分理解できてなかったんだろう? と不思議に思うほどです。

一度固定観念が築かれると、なかなかそれが崩れない、ということなのでしょうけれども。

とにかく、これほどまでに素晴らしい演奏が、日本を舞台にしてなされたことを、深く感謝したい気持でいっぱいです。

TDKもよく録音して、記録にして残してくれたものだ、と感謝、感謝の気持ですね。

投稿: morokoman | 2013年9月25日 (水) 23時21分

morokomanさん、こんばんは。

「タピオラ」さすがに晩年のシベリウス作品は奥深く素晴らしいです。

ベルグルンドは間違いなく最高のシべリウス演奏家の一人ですが、どの曲でも常にベストということは無いと思います。交響曲であれば、1、2番よりも3番以降の曲が素晴らしいと思います。

それにしてもTDKのヘルシンキPOのシベリウス・チクルスの演奏はどれもが素晴らしいですね。カムと渡邊さんの音楽スタイルも似ているので全集としても違和感を感じません。本当は二人とも全曲を指揮して貰いたかったくらいです。

投稿: ハルくん | 2013年9月26日 (木) 22時58分

古い録音で敬遠されるかも知れませんが…モントゥLSOに非常に惹かれます。モントゥ自体がもはや過去の人になってしまった感がありますが、じつは現役の様々な指揮者の師匠であり、自然体の曲つくりは聞いていて安心を覚えます。シベリウスらしくないとの異見もありますが私の原体験でありどうしても外せません

投稿: k | 2014年9月10日 (水) 06時41分

Kさん

モントゥーはDECCAやフィリップスへの録音が多いですから時代にしては音質は良いと思います。録音が古くて敬遠することはありません。それにオールドファンには非常に人気の高い指揮者だと思います。
ただ、自分の好むシベリウスかどうかというとどうでしょうか。シべリウスはやはり”シべリウスらしい”演奏に感銘を受けてしまいます。

投稿: ハルくん | 2014年9月11日 (木) 00時04分

多分Susanna Mälkkiがトップ。

投稿: RO | 2020年9月 9日 (水) 22時16分

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