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2009年2月11日 (水)

チャイコフスキー ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の想い出」 オイストラフ・トリオ ~もうひとつの名盤~

チャイコフスキーの大傑作ピアノ・トリオ「偉大な芸術家の想い出」については、少し前に記事にしたばかりです。<旧記事>チャイコフスキー ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の想い出」 名盤

その時の記事の中で、コーガン/ギレリス/ロストロポーヴィチの古い演奏を、およそ比類の無い名盤だとご紹介しました。それについては全くの事実なのですが、実はその後に、たまたま中古ショップで珍しいCDを見つけました。

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演奏をしているのは、ダヴィド・オイストラフ(Vn)、レフ・オボーリン(Pf)、スヴャトスラフ・クヌシェヴィツキー(Vc)の、いわゆるオイストラフ・トリオで、1961年のライブ録音と記載されています。イギリスのマスタートーン・マルチメディアという会社が「レニングラードマスターズ」というシリーズ?で出したようですが、現在は恐らく廃盤扱いでしょう。実は相当の音の悪さを覚悟の上で購入したのですが、実際に聴いてみると録音は予想以上でした。まあ、この手は粗悪な音の物が多いので最初から期待はしていないからでしたが、幸いにも鑑賞には支障のない良好なレベルでした。そして肝心の演奏が何とも素晴らしいものだったのです。これはまあメンバーを考えれば当然のことではあるのですけれども。コーガン/ギレリス/ロストロポーヴィチの演奏はインテンポで極めて堅牢な造形でありながらもロシアの味わいに満ち溢れた正に純血ロシアンでなければ出来ない演奏でした。こちらはそれに比べればややゆったりとしたテンポでたっぷり歌うことに重点を置いた演奏です。特に素晴らしいのがやはりオイストラフのヴァイオリンです。この人はライブになると本当に良いです。ほれぼれするほど楽器が歌っており素晴らしい味わいです。クヌシェヴィツキーのチェロも非常に上手いです。この人は今まであまり聴いたことは有りませんでしたが、品格から言えばロストロポーヴィチに全然負けていません。ヴァイオリンとチェロに関しては、この両トリオは全くの互角だと思います。残るオボーリンのピアノだけがテクニック面でギレリスと比べるとだいぶ劣っています。個々を比べればそのようになるのですが、アンサンブル全体として比べた場合には、音楽の造形と凄み、迫力でコーガン/ギレリス/ロストロポーヴィチ盤が優れ、豊かな表情と情緒表現の点ではオイストラフ/オボーリン/クヌシェヴィツキー盤が更にその上を行くと思います。自分としてはこの両盤にとても優劣はつけることは出来ません。そしてどちらもつくづく純血ロシアンの演奏なのだと感じ入るばかりです。それにしてもこれほどの名曲の名演奏が現在どちらも陽の目を浴びていないとはかえすがえすも残念なことです。

けれども、幸いなことにYouTubeでこの演奏を聴くことができます。

尚、このメンバーは1950年頃にもスタジオ録音を残していることも今回知りました。部分的に試聴した限りでは後年のライブの円熟味と深さには及ばない気がしますが、その演奏を全部聴いた方がいらっしゃればご感想を是非お聞きしたいと思います。

<後日記事>チャイコフスキー「偉大な芸術家の想い出」 クレーメル新盤

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