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2009年2月24日 (火)

チャイコフスキー 交響曲全集 スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立響の最初の全集 

Tchaikovsky_svetlanovスヴェトラーノフ/ソヴィエト国立響(1967年録音/メロディア原盤:Aulos盤)

一度はチャイコフスキーに別れを告げて、シベリウスへ移ろうかと思いましたが、またまたチャイコフスキーを聴いています。(笑)
というのは、この冬に色々とCDを聴き直しているうちに、エフゲニ・スヴェトラーノフの演奏はやっぱり良いなぁと改めて感じ入ったからです。この人の録音には、1990年の東京ライブと1993年のモスクワ録音と2種類の交響曲全集が有り、どちらも掛け値なしに素晴らしい演奏なのですが、最初の録音の1967年のメロディア盤はこれまで聴いていませんでした。その理由は、昔LPでチャイコフスキーの交響曲全集を購入した時にロジェストヴェンスキー/モスクワ放送響盤を選んだことと、その後のスヴェトラーノフには演奏/録音ともに優秀な全集が2種類も有りますし、昔の演奏は若々しい演奏なのだろうけれど、どうせあのメロディアの余り優れているとは言えない音質なのだろうし、と決め込んでいたからです。でも最近はスヴェトラーノフが以前にも増して好きになり、やっぱり昔のものも聴いてみたくなりました。幸い現在は韓国Aulosレーベルがライセンス盤を販売してくれています。

さて、いざ聴いてみて非常に素晴らしい全集であることに驚きました。予想をはるかに越えていたのです。確かにこれはロシアの最初のステレオ録音によるチャイコフスキーの交響曲全集ですし、あのコンドラシンのショスタコーヴィチ交響曲全集と並ぶ正に記念碑的な全集なのですが、演奏そのものも単に若々しいなどと簡単に済まされるものでなく、楽曲に向かう気迫が半端でありません。4番、5番、6番のマッシヴでいて壮絶な演奏は、ムラヴィンスキーにも引けを取りません。「悲愴」第1楽章のアレグロ・ヴィーヴォの異常なまでの迫力も五分と五分です。これは大変なことです。何故スヴェトラーノフが僅か30代の若さでソヴィエト国立響の常任指揮者に抜擢されて、全集録音までをも任されたかが良くよく理解できるというものです。もっとも1番から3番まではどちらか言うと晩年のじっくりとした演奏の方が僕は好きです。ロジェストヴェンスキー/モスクワ放送響の全集は1番~3番の演奏がとても魅力的で、後期の出来が今ひとつだったのと逆なのは面白い現象です。どうも迫力ばかりを強調しましたが、情緒的な味わいも実に深いのは、やはりロシアの演奏家ならではです。それと当時のソヴィエト国立響が上手い事。現在(名前はロシア国立響に変わりましたが)よりも数段上だと思います。さすがに冷戦時代の共産主義国家の文化レベルは凄いものです。

とにもかくにも、この全集は全てのロシア音楽ファン、チャイコフスキーファンにとって聴く価値の有るものだと思います。決して晩年の全集以上とは言いませんが、いずれの全集もかけがえのない不滅の価値を持っているのは間違い有りません。しいて欠点を言えば、昔のメロディア録音なのでかなり音が硬いことです。これには耳の慣れがちょっと必要かもしれません。Aulosのリマスターは余り評価されないレヴューも見受けられますが、僕はなかなか良いリマスターだと思っています。

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チャイコフスキー(交響曲)」カテゴリの記事

コメント

ハルくんさん、こんにちは。

昨日CD屋さん巡礼に出かけて、スヴェトラーノフとロジェストヴェンスキーのMELODIYA盤を探したのですが、見つかりませんでした。
うーん、残念!

代わりにお薦めのフリッチャイ/バイエルン放送響のORFEO盤を買ってきました。ORFEO特価セール中なのに、この盤だけ通常価格で、ちょっと不満でしたが。(笑)

そのうち、私もチャイコフスキーの4~6番について、聴き比べを記事にしたいと考えています。そのときには、是非是非お越しくださいませ。

投稿: ハルコウ | 2009年3月 1日 (日) 10時44分

遙香さん、こんにちは。
またまたコメント頂きましてありがとうございます。

スヴェトラーノフもロジェストヴェンスキーも単品では結構見かけますが、全集は滅多に見ないですね。スヴェトラーノフはHMVとか注文した方が確実かもしれません。
ロジェストヴェンスキー/モスクワ放送盤は現在は全集も単品も廃盤のようです。再発売の可能性は有るでしょうが、いつになるやら。

フリッチャイ/バイエルン盤を購入されたのですね。ご感想記事を楽しみにしています!
4番~6番の記事もとても楽しみにしていますので。

投稿: ハルくん | 2009年3月 1日 (日) 18時29分

ひらけんです。コメント第10番です。
昨晩、フェスタサマーミューザ川崎の宮本文昭さんの指揮東京シティフィルでチャイコフスキーのくるみ割り人形抜粋、交響曲第五番を聴きました。熱い演奏で良かったです。宮本さんのしゃべりも「曲当てクイズは苦手」など、楽しく、人柄を知る絶好の機会でした。
さて、愛聴盤ですが、第五番の単独記事はないので、全集ですが、私の所有は、最近購入したムーティ・フィラデルフィア等とアバド・シカゴです。ロシア系は全集では所有していません。なお、有名なムラヴィンスキー盤など後半曲は、複数所有しています。ただ、好みとなるとアバドでしょうか。イギリスものもそうですが、ロシア音楽もアメリカ系のオーケストラが好きです。特に金管の分厚い響きは、シカゴ響ではないでしょうか。
それ以上に、昨晩の東京シティフィル、特にヴィオラとチェロのユニゾンなど、良かったです。メロディラインのときはすごく熱く歌っていました。宮本さんの指揮も熱いですよ。
ちなみに、スベトラーノフ盤も、今度、購入しようかな。トロンボーンとかうまいですか。

投稿: ひらけん | 2011年8月 4日 (木) 23時02分

ひらけんさん、こんばんは。

宮本さんのオーボエ独奏(モーツァルトの協奏曲)は聴いたことが有りますが、指揮は聴いたことが有りません。良いコンサートをお聴きになられましたね。

チャイコフスキー5番の単独記事は有りますよ。http://harucla.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/op64-bfb8.html

個人的にはチャイコフスキーはロシアのオケと指揮者で聴くのが好きです。ロシアの一流オケの金管は皆上手いですよ。
もしスヴェトラーノフならば東京ライブを是非お勧めします。あとゲルギエフも良いですね。

投稿: ハルくん | 2011年8月 4日 (木) 23時23分

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