厳寒 チャイコフスキー 交響曲第1番「冬の日の幻想」ト短調op.13
毎日寒い日が続きます。おかげで毎日部屋の暖房をガンガンにしてチャイコフスキー三昧です。それもロシアの雰囲気が一杯の曲が良いですよね。私は昔から哀愁漂うロシア民謡が好きで、「ともしび」や「トロイカ」「ポーリシュカ・ポーレ」などの大好きな歌がたくさん有ります。チャイコフスキーは後期の作品になるとかなり国際的な普遍性を持った雰囲気の曲が多くなりますが、初期の曲にはロシア民謡丸出しの作品が多く有ります。交響曲で言えば第4番辺りまでです。なかでも第1番「冬の日の幻想」と第2番「小ロシア」。この2曲は好きですね。チャイコフ好き~!なんちゃって。そこで今日は第1番の方を聴きながらロシアの冬の日を想像することにしましょう。
彼は交響曲の第1作目を完成させるのには少々苦労したようです。その理由はロシア音楽の先駆者グリンカも目指した、従来のヨーロッパの古典派、ロマン派の技法に何とか自国の音楽を融合させたいと考えたからです。果たして苦心の末に完成した第1交響曲はその通りの名作になりました。
この曲は「冬の日の幻想」というタイトル以外にも更に、第1楽章には副題が「冬の旅の夢想」、第2楽章には「陰鬱な土地、霧深き土地」と付いています。それはともかく、この曲は若々しい甘さとロシア風のほの暗いメロディが幾重にもつづられて非常に魅力的な作品です。私が好きなのは第1楽章と第2楽章。実にロマンティックな名旋律の第2楽章はファンにとても人気が有ります。第4楽章もまるで「走れトロイカ!」。ロシア民謡丸出しのノリと迫力が実に楽しいです。
こういう曲だけはロシア人がロシアの楽団と演奏した本場物以外はちょっと私は聴く気になれません。よその国の人の歌うロシア民謡を聴かされるようなものですので。そうするとCDも限られてはきますが、私が現在愛聴しているのは、エフゲニ・スベトラノフ指揮ロシア国立交響楽団(1993年録音/CANYON盤)です。スケールが大きく豪快でロシアの雰囲気に満ち溢れた良い演奏です。やはりこうでなくてはねぇ。録音もとても良いので大満足です。
私がその昔、LP盤で聴いていたのは若きゲンナジ・ロジェストヴェンスキーが70年台初めに手兵モスクワ放送響と録音した全集の中の1枚でした。後期三大曲あたりではムラヴィンスキーあたりと比べるとまだまだ若造の棒だったのですが、初期の曲は逆に若さがプラスして非常に良い演奏でした。特に1番の2楽章などはロストロポーヴィチ級の主席チェロ奏者ヴィクトル・シモンが率いるチェロパートの歌いっぷりが抜群でしたし、ホルンのソロも最高でした。この演奏は全集でも分売でもどちらでもCDでの再発売を心待ちにしているところです。
ということで、しばらくはロシア音楽特集を続けて、雪解けが近くなった頃に大好きなシベリウスに行こうかと思っています。
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コメント
チャイコフスキーの交響曲はマンフレッド交響曲を含め全ての曲のCDを持っています。私が現在好きな曲順に並べていくと・・・
第1位 第6番『悲愴』
第2位 第1番『冬の日の幻想』
第3位 第3番『ポーランド』
第4位 第4番
第5位 第5番
第6位 第2番
第7位 マンフレッド
となります。ただし、全ての曲同士は僅差で並んでいるという感じです。
ということで、第1番を初めて聴いて以来、とても好きな曲になりました。初期の交響曲の性格らしく、いい意味で洗練されずに荒削りな部分がとても多く、それが逆に後期の交響曲にはない魅力がありますね。
第1番は特に第1楽章が好きです。
また第3位にランクインした第3番は、聴き始めの頃は「うん?」という印象で、特に大きな感慨を残さなかったのですが、聴き込んでいくと第1番と同様、魅力的な旋律がとても多いことに気づき、聴く度に様々な発見があります。
第3番はハルさんのブログでは紹介されないと思い、少し宣伝しました(笑)。
投稿: たろう | 2009年1月15日 (木) 01時08分
たろうさん、こんにちは。
コメントを有り難うございます。
あれれ、読まれた!よく私が3番をパスしようと思っているのが判りましたね~。(笑)
人の好みというのは面白いです。私は2番が1番と同じぐらい好きなのですが、3番は長いこと聞いていません。あらためて聴いてみたくなりました。
私がランクをつければ、やはり4番以降がベスト3になるでしょう。でもファンにとってみれば、どれもこれも愛すべき曲なのですよね。
投稿: ハルくん | 2009年1月15日 (木) 12時42分
いい曲です。文句なしに好きです。でもCDそのものが少なく、すべてを買い求めましたが、極め付きの1枚!というのがありません。以前にマイケル・ティルソン・トーマスがボストンを振った実況録音をテープにとって小ウケくらいに聴いていましたが、スヴェトラーノフは気に合わず、マゼール ウィーンもちがうかぁ という感じです。このシンフォニーのベストの演奏は私の頭の中なのだ!かつて宇野功芳が本の中でシューベルトの未完成はベスト盤がなく、しいて言えばベストは自分の演奏だといっていましたが、パパにもぜひこの曲を1度振らせていただきたい!1楽章は風景画を丹念に描き上げるように、2楽章はテンポを揺らしてあふれる感情を表現し、3楽章は素朴に、そして中間部は湧き上がる感情を豊かに、4楽章は「咲け小さな花よ」をドラマチックに演奏します。どうですか?!
投稿: パパゲーノ | 2009年1月16日 (金) 22時28分
チャイコフスキーの後期の交響曲はムラヴィンスキーの指揮したグラモフォォン盤があるので私にとって悩む事はありませんが、前期の交響曲は誰の録音が良いのかよくわからないのが現状でスヴェトラーノフやロジェストヴェンスキーの録音はまだ聴いたことがないので私はチャイコフスキーの前期の交響曲に関しては落第といえるでしょう。私は昨年、ロストロボーヴィチ指揮ロンドンフィルの交響曲全集のアルバムを入手し前期の交響曲に関しては(ここが大切)けっこう気に入っているのですがベストの演奏なのかどうかよくわかりません。お恥ずかしいかぎりです。
私も1番、2番の交響曲に大変、ひかれます。雪におおわれたロシアの白樺の林を歩いている時の風景の音楽にぴったりではないかと思ったりします。(ロシアはまだ行ったことありませんが・・・)
投稿: オペラファン | 2009年1月17日 (土) 00時11分
パパゲーノさん、こんにちは。
いやー、この曲が本当にお好きなのですね~。参りました。
しかしスヴェトラーノフが気に入りませんか??
きっとパパゲーノさんの理想的な演奏は貴方の頭の中で鳴っているのでしょうね。でも、もしも耳元で鳴り出したら、それは「冬の日の幻聴」ですよ~!(笑)
投稿: ハルくん | 2009年1月17日 (土) 07時06分
オペラファンさん、こんにちは。
ロストロボーヴィチ盤は昔、後期の曲を聴いたことが有ります。ロンドンフィルがロシアの楽団に比べると多少馬力不足かなとも感じましたが、とても良い演奏だと思いました。久しぶりに聴き直してみたい気がします。
「雪~の白樺並木~♪」本当にそういう気分になりますよね。ブルックナーもワーグナーも良いですが、チャイコフスキーもやっぱり好きですね~。
投稿: ハルくん | 2009年1月17日 (土) 07時15分
こんばんは。
コメントありがとうございました。
1番はもっとCDを発売して欲しいです。
極めて少ないです。
この曲は4番、5番の次ぐらいに好きなんです。
CDショップに行ってもほとんど売ってません。
ロシア民謡丸出しとおっしゃってますが、ヨーロッパなどでは、あまり受けないんでしょうか?
スヴェトラーノフですか。聴いてみたいです。
投稿: kurt2 | 2009年2月11日 (水) 23時38分
kurt2さん、こんにちは。
コメント頂きましてありがとうございます。
1番のCDは4番以降に比べて本当に少ないですね。熱烈なファンが多いにもかかわらず不思議ですが、たぶん聴いたことの有る人の絶対数が少ないのだと思います。ヨーロッパでも同じような状況なのではないでしょうか。
もちろんkurt2さんのお好みは分かりませんが、この曲がお好きなのであればスヴェトラノフ盤をお聴きになって損ということは無いと思いますよ。特に木管楽器の歌い回しを他の国の楽団と比較してみて頂きたいと思います。
投稿: ハルくん | 2009年2月12日 (木) 06時17分
こんばんは。
スヴェトラーノフ盤を聴きました。
この演奏を聴くまでロシア民謡丸出しの意味が正直申し上げて、いまいちわかりませんでした。聴いてわかったことは、1~4楽章まで、この丸出し感が曲にぴったり合ってました。
しかし、拙者は4楽章についてはカラヤン盤の方が、この曲には合ってるのではないかと思います。
投稿: kurt2 | 2009年2月15日 (日) 00時04分
kurt2さん、こんにちは。
早速お聴きになられましたか!
私の場合は所謂「本場物」志向が強い為に、自国の演奏家のものを好んで聴くことが多いのですが、音楽鑑賞は色々とタイプの異なる演奏を聴いてみたうえで、本当に自分の好みに合うのものを選ぶのが理想的な楽しみ方だと思っていますよ。
投稿: ハルくん | 2009年2月15日 (日) 07時08分
ハルくんさん
ご存じでしたらお教えください。チャイコフスキー自身はどの交響曲が気に入っていたのでしょうね。4番以降は意識的に「民謡丸出し」ではない書き方にしたような気がいたします。それが結果的には異国の人にも評価され、しばしば演奏される結果につながったのでしょうかね。
もっとも確か、5番を書いた後ではメック夫人に「何か作り物のような、本物の音楽ではないような感じがするのです」と書いていましたし、6番を初演して程なく亡くなるまで「鬱状態」だったようですから、どの曲にも不全感を覚えていたかもしれませんが。
交響曲を構築するより、バレー音楽のような形で書くほうが彼の真骨頂であったと私は思います。でもやはり「交響曲を書いてこそ一流」みたいな意識もあったのでしょうか。
投稿: かげっち | 2009年2月15日 (日) 21時44分
かげっちさん、こんばんは。
彼は「悲愴」を最も気に入っていたようですね。「過去の作品の最高傑作だ」と自分で述べているそうですから。客観的に見てもそれは事実でしょう。もっとも、どこかの精神科医が様々な音楽をうつ病の患者さんに聴かせたところ、この曲が一番悪い影響を与えたそうです。聴きすぎには気をつけましょう。(笑) でもその中にはマーラーの6番や9番は無かったのでしょうかねぇ?
彼の音楽は交響曲でも多分にバレエ音楽的だと思います。というかバレエ音楽がシンフォニックなのかな?どちらでしょう?まあ境界線が低いと言う事でしょう。
投稿: ハルくん | 2009年2月15日 (日) 23時12分
ハルくんさん、こんにちは。
なるほど、そうですか。自分の気分と同調した音楽が、そのときもっとも聴きやすい音楽だと思います。精神的に猛烈に疲れている時は、MozartやBachでさえも聴けないことがありますし。
音楽のテンポだけ変えられるシステム(音程は変わらない)を使って鬱病患者に「いまのあなたにちょうどよいテンポを設定してください」と指示し、回復の指標にできないかと実験していた精神科医を知っています(ものになったかどうか知りません)。その人はなぜかボサノバを聴かせていたのですが、そもそもボサノヴァを聴く気分じゃない人はどうすればいいのだろう?と思いました。
投稿: かげっち | 2009年2月18日 (水) 13時00分
かげっちさん、こんばんは。
猛烈に疲れている時ですか。そうですね、私ならドヴォルザークのアメリカの第2楽章かなぁ。ジークフリート牧歌なんてのも良いですねぇ。やはり音の動きの少ない曲の方がいいかな。
それにしても鬱病の患者にボサノヴァですか?果たして聴きたいでしょうかねー???
投稿: ハルくん | 2009年2月18日 (水) 23時39分
猛烈に疲れているときは何も聴かずに眠るのがよいのかもしれません。遠くの汽笛とか吹雪の音とか、音楽じゃないのを聴くのも好きです。音楽ならばエンヤとか、ルネサンス音楽のようにビート感が乏しいものがいいですね。ボサノヴァでないことは確かです。聴けるようになったら治った証拠です、と言われても、もともと好きじゃないので(笑)
投稿: かげっち | 2009年2月21日 (土) 11時30分