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2008年12月 7日 (日)

ボリショイ・バレエ/ザハーロワ 2008日本公演 「白鳥の湖」

Cci00041

今夜は来日中のロシア国立ボリショイ・バレエの「白鳥の湖」を観に行ってきました。会場は上野の東京文化会館です。寒い冬になってチャイコフスキーのバレエを生の舞台で観るのは楽しいものです。年末に「白鳥の湖」を観るのはこれで3年連続となりますが、一昨年はマリインスキー劇場バレエ、昨年はモスクワ音楽劇場バレエでした。

今年のボリショイのお目当ては何といってもプリマのスヴェトラ・ザハーロワです。C社のデジカメのTVCMでオデットを踊っているので御馴染みでしょう。さてその姿は予想を遥かに越えて美しかったです。すらりと伸びた肢体は白鳥というよりもフラミンゴか丹頂鶴みたいでした。それにしても何て細くて長い手足なのでしょうか。そしてあの繊細極まりない表現!オデットの役は彼女の為にあると言っても過言で無いのじゃないでしょうか。いやー素晴らしい!ジークフリート王子のウヴァーロフも背が高くがっちりしていて実にカッコいいので、彼がオデットを高々とリフトすると何とも見栄えがするのです。

ボリショイの舞台はもちろん老舗の素晴らしさなのですが、個人的には昔話の絵本をそのまま舞台にしたようなマリインスキーの方が好みです。コール・ド・バレエ(群舞)もマリインスキーにはちょっと適わないと思います。オーケストラは専属の楽団だったのは良いですが、随分と荒っぽい音でした。まあロシア的と言えないことも無いのかもしれませんが、もう少し繊細にやって欲しかったです。

ちなみに最後は悪魔がオデットを連れ去ってしまい王子が一人呆然とするという悲劇の終わり方のほうでした。私は「最後に愛は勝つ」(^^)のハッピーエンドが好きなのだけどなぁ。カーテンコールは盛り上がって凄かです。熱烈なファンがステージの前に殺到して拍手が鳴り止まず。さすがにザハーロワは本当に人気が高いですね。

さて、僕が家で「白鳥の湖」を楽しむ場合のDVDをご紹介させて頂きます。

Cci00040 マリインスキー劇場のDVD(2006年収録) これは指揮が劇場監督のワレリー・ゲルギエフ自身。オデットは看板のロパートキナ。彼女は顔立ちが可愛いので大好きです。ゲルギエフの振るテンポは完全にコンサート向きなので、ダンサーにとっては速すぎたり遅すぎたりと随分踊りにくそうな部分も見うけられます。ですので、純粋なバレエファンには必ずしも評判は良くないのだそうです。でも僕は純粋なバレエファンでもありませんし、大好きです。何しろ、これほど音楽的に素晴らしい「白鳥の湖」は無いからです。舞台の薄明るく淡い色彩も本当に美しいです。そしてマリインスキーのコール・ド・バレエの美しさ。これは生の舞台に接すると言葉にならないほどなのですが、DVDでも充分美しさを味わえます。演出も最後に王子が見事に悪魔をやっつけてハッピーエンドtぽなるオーソドックスな終わり方なので安心。この素晴らしいDVDは、普段バレエを見ないクラシック音楽ファンにこそ是非観て頂きたいお薦めです。

Cci00039 パリ・オペラ座バレエのDVD(1992年収録) マリインスキー、ボリショイと肩を並べられるのはパリ・オペラ座でしょう。ジョナサン・ダーリントン指揮。オデットはマリー=クロード・ピエトロガラでジークフリートはパトリック・デュポンという素晴らしい組み合わせです。10年前くらいはピエトロガラはシルヴィ・ギエムと並んで非常に人気が高かったけれど、最近はどうなのでしょう。この上演版は最後に王子がオデットを抱いて湖に沈み天国へ登るという終わり方です。デュポンの演技が見事ですし演出もドラマティックで素晴らしいです。指揮とオケの方についてはパリのオケには最初から無理な相談なのですが、チャイコフスキーだけに本来は演奏にロシアの味わいが欲しいところです。

以上は、決してバレエ鑑賞が専門ではない自分の勝手気ままな意見ですので、その道のファンから見たらおかしく思えることも有るかもしれません。その点はどうぞご承知置き下さい。

<補足>
なお、音楽をCDで楽しむ場合の愛聴盤は下記の記事でご紹介しています。
チャイコフスキー バレエ「白鳥の湖」全曲 名盤

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コメント

スヴェトラ・ザハーロワの「白鳥の湖」を見る事が出来たとは何と幸運なのでしょう!
私は、彼女が2004年ミラノ・スカラ座に客演した時の映像のDVD(以前私のブログで紹介したはずである)を持っています。彼女の美しさを何と言葉で表現したらよいのでしょうか!第3幕で黒鳥オディールに扮して王子を見つめる眼の表情の凄さは何度観てもノックアウトされます。

投稿: オペラファン | 2008年12月 8日 (月) 00時17分

ハルくんさま お早うございます

「白鳥の湖」観られたんですね
一度だけバレエの伴奏をしたことがあります。「胡桃割り人形」でしたが〜。オケストラはもの凄く難しいです;; シンフォニーと比べると、チャイコフスキーはより熱が籠もっているように思います。

私も全曲盤の方が良いと思います。といってもスベトラーノフの全曲盤しか持っていないのですが〜。オーマンディ・フィラデルフィアの抜粋盤もよく聴きますが、やはり全曲盤の方が面白いですよね〜。

バレエは、全幕をまだ観たことがありません。これからの分野です(山ほどの分野が残っていますが〜)。

ミ(`w´彡)

投稿: rudolf2006 | 2008年12月 8日 (月) 06時11分

オペラファンさんコメントありがとうございます!

さすがはオペラファンさんですね。
実に細かいところまで見ておられる!
私などはあの長い手足ばかりに目が行ってしまいます。(苦笑)
おっしゃられるとおり黒鳥オディールに扮した彼女は本当に魅力的です。世の男性が理性を失ってしまうのもよく分かります。ジークフリート王子ならずとも騙されて惚れてしまいますよ!
えっ私?オディールでなくともすぐに騙されてしまいますが…(笑)

投稿: ハルくん | 2008年12月 8日 (月) 06時11分

rudolfさん、こんばんは。
いつもコメントありがとうございます。

バレエはイイですよ~。特に「白鳥の湖」が楽しいです。「くるみ割り人形」も良いですね。「ロミオとジュリエット」なんてのも。やはり音楽の充実しているプログラムのほうが観ていて飽きません。

スベトラーノフの全曲盤は聴いてみたいと思っているディスクです。まだ聴いていないのですよ。

投稿: ハルくん | 2008年12月 8日 (月) 21時47分

本日はお招きに預かり、厚く御礼申し上げます。
......ということで初登場です。緊張します。
一人だけへなちょこコメントですが、よろしくお願いします。

ザハーロワさん、本当にきれいでしたよね。思い出すだけでうっとりです。
こうして思い返すとオデット/オディールばかり目に浮かびますが、鑑賞中はひたすら王子の物語として観ていました。オデットが心から惹かれているのかどうか判らなくなるほど、王子の内面が深く掘り下げられていたように思います。

ハルくん様はハッピーエンドの方がお好みですか。
私は今回のラストが、物語としてはとても好きです。作品としてはちょっと尻切れとんぼな感じがしませんでしたか? こちらでは客席に「あれ、これで最後? 幕が下りたから終わり....かな」という一瞬の戸惑いがありました。

DVDではオペラ座のルテステュ&マルティネズ版がお気に入りです。でも今回のボリショイを見てこのグリゴロ版新演出の映像が欲しくなり、探しているところです。

ご、ごめんなさい! 調子に乗ってべらべらと....。
次は年明けのレニングラード国立バレエです。

投稿: すい | 2008年12月 9日 (火) 20時11分

すいさん、こんばんは!
お越し頂いてありがとうございます。へなちょこコメントだなんてとんでもないですよ。大体私のコメントが一番いい加減なんですから(^^)

そうですね、これはジークフリート王子の心の変化の話ですものね。ザハーロワさんばかりに目が行き過ぎてはいけませんね(反省…)
よく思い出せばウヴァーロフ君もさすがにボリショイのNo.1だけあって演技が素晴らしかったですね。(なんだ今ごろ!反省…)

私も同じように最後には戸惑いました。すぐにもういちど幕が上がるような気がしたほどです。
私はやっぱりハッピーエンドが好きです。これは満たされない現実の反動からの憧れかもしれません(苦笑)(^^)

オペラ座のルテステュ&マルティネズ版ですか?観たことありません。調べてみようかな。

レニングラードバレエにも行かれるのですね。バレエ三昧ですねー。ブログの感想楽しみにしています!


投稿: ハルくん | 2008年12月 9日 (火) 22時54分

オペラファンさん、TBを頂きましてありがとうございます!

ピエトロガラ/デュポンのオペラ座DVDもブルイメステル版ですし、そもそも昨年観たモスクワ音楽劇場はブルイメステル版の初演劇場なのですが、実際には同じ版といっても細かいところでは随分違います。それら色々の公演やDVDを見比べるのはバレエ鑑賞の醍醐味だと思いますが、観てみたいものがたくさん有って困ってしまいます。

投稿: ハルくん | 2008年12月10日 (水) 08時19分

残念ながら「白鳥の湖」の全曲はビデオやDVDでは持っていますがCDは持っていませんので、お恥ずかしい限りです。ハイライト盤は2枚あるのみです。ボニング指揮ナショナルフィル(デッカ)とモントゥー指揮ロンドン響(フィリップス)の2枚ですが、けっこう2枚とも気に入っています。
ボニング盤は全曲盤からの抜粋ですが、なかなかの演奏です。日本では評価の低い指揮者なので全曲盤が廃盤のままなのは残念です。このCDはジャケットのイラストが幻想的でたいへん美しいものでした。
モントゥーはフランス物で有名ですが、私はけっこう彼のロシア物が気に入っています。たいへん上品な演奏で大指揮者の棒にかかるとこうもちがうのかと思います。またモントゥーにはデッカに「眠りの森の美女」(抜粋)の録音もあり、私の大好きな録音です。しかしながら「くるみ割り人形」の録音がないのが残念です。

投稿: オペラファン | 2008年12月11日 (木) 16時43分

オペラファンさん、またまたコメントありがとうございます。

ボニングは聴いていません。モントゥーはチャイコフスキーも評判が良いしファンが多いですよね。ただ私はどうも偏執的なくらいに本場物が好きなので、チャイコだとどうしてもロシア演奏家に向いてしまいます。

投稿: ハルくん | 2008年12月11日 (木) 23時21分

古い記事へのコメントすみません。

第2幕・情景や終曲の白鳥の主題のテーマは聴く度に胸が熱くなりますが、バレエは観たことがなく、一度観てみたいと思い色々チェックして先日選んだDVDがザハロワ版ですね。
本場マリインスキーのロパートキナ版か迷いましたが、やはり美人には弱いですな(笑)。趣味の良い美的感覚の持ち主である貴殿のことだから、もしかしてと思い覗いてみたら・・・やはりありましたね(笑)。それにしてもザハロワの実演を観ていたとは羨ましさの限りです。CDは、プレヴィン・フィストラーリ・モントゥー・ボニング・デュトワ・カラヤン・オーマンディ等聴いていますが、ロジェストヴェンスキーはLP時代に聴いてましたね。最近はエソテリックのフィストラーリ・ACO盤をよく聴きます。これを機会にバレエの事色々知って楽しみたいです。失礼しました。

投稿: シーバード | 2012年7月 5日 (木) 14時24分

シーバードさん、こんばんは。

古い記事へコメントを頂くのはとても嬉しいです。ありがとうございます。

ザハーロワのDVDは観ていませんが、生の舞台姿は本当に美しかったです。プリマドンナ主体で選べば、ザハーロワで絶対間違いないでしょう。
一方のマリインスキーのものは、総合的に選ぶべきものです。帝政ロシア時代からの長い伝統を感じる美しい舞台に魅了されます。ゲルギエフの指揮も素晴らしいですし。

フィストラーリ/ACO盤は僕も昔LPで愛聴しました。素晴らしい演奏ですよね。

DVDで楽しまれたら、是非一度生の舞台もご覧になられることをお勧めします。

投稿: ハルくん | 2012年7月 5日 (木) 22時32分

マリインスキー・バレエ日本公演のキャスト替わってしまいましたね。ハル様観劇予定のオデットはコンダウーロワからロパートキナですね。美形好みのハル様にとってどうなんでしょうね?。ところで最近、マリインスキー・バレエ・イン・パリのDVD買いました。バレエ・リュスのニジンスキーを讃えた
公演ですが、シェエラザードのザハロワの美しさはやはり最高ですね。ヴィシニョーワの火の鳥もコンダウーロワとは違った魅力があります。ニジンスキーと言えば、競馬ファンにとっては有名な最後の英国三冠馬のことですがハル様は競馬に興味はお持ちですか?ちなみにシーバードは史上最強馬と言われている競走馬の名前です(笑)。話が脱線して失礼しました。

投稿: シーバード | 2012年10月 3日 (水) 15時54分

シーバードさん、こんばんは。

コンダウーロワは残念ですが、ロパートキナですのでもちろん不満は有りません。元々マリインスキーの最大の魅力はコール・ド・バレエにあると思っていますので、ソリストにはそれほどはこだわっていません。

シェエラザードのザハロワは素敵でしょうね。残念ながらその映像は観たことが有りません。

競馬は全く分りません。馬券なるものを購入したことは生涯で一度もありませんが、唯一ディープインパクトがフランスで出たレースの賭け券をイギリスの友人に頼んで購入してもらったことがあります。見事に外れましたが。

投稿: ハルくん | 2012年10月 3日 (水) 21時55分

ついでにちょっと!

ディープインパクトが挑戦した欧州競馬の最強馬決定戦である凱旋門賞が7日(日曜日)の深夜23時過ぎにパリのロンシャン競馬場であります。日本からは三冠馬オルフェーヴルが挑戦します。小生はスカパーのグリーンチャンネルで実況中継を観ますが、地上波ではフジが中継するみたいなので、気が向いたら観てみてください。日本馬として初の栄冠に輝くかどうか楽しみですね。

投稿: シーバード | 2012年10月 4日 (木) 08時49分

シーバード さん

オルフェーヴルというのは凄い馬なんですね。
海外遠征という厳しい条件下で優勝できれば本当に大したものです。日本代表として頑張ってほしいですね。

投稿: ハルくん | 2012年10月 4日 (木) 21時37分

まだまだ先のことですが、11月28日の大阪フェスティバルホールでのボリショイバレエ「白鳥の湖」のチケットを確保しました。
すでにA席とC席が売り切れで慌てました。
あのスヴェトラ・ザハーロワが出演予定。
久し振りのバレエの生のステージ、楽しみです。


投稿: オペラファン | 2014年7月 8日 (火) 09時33分

オペラファンさん

スヴェトラ・ザハーロワの「白鳥の湖」に行かれるのですね!
自分が観てから5年もたってしまいましたが、彼女のあのオデットの美しさは鮮明に脳裏に焼き付いています。
僕も再び観たいのはやまやまなのですが、財政危機による超緊縮予算の為に諦めています。
11月の公演、今から本当に楽しみですね。

投稿: ハルくん | 2014年7月 8日 (火) 14時25分

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» 「白鳥の湖」 [オペラファンの仕事の合間に パート2]
最近バテバテである。また先週末、明け方の4時に店の火災報知機が誤作動して、すぐに店に呼ばれて、まともに寝られなかったのもこたえている。店へ行ってみるとパトカーと消防車が数台、止まっていて血の気が引く思いであった。今日の朝、久しぶりに病院へ行って血圧を計ると上が155もあり嫌になってきた。こんな日は変に外出せず自分のすきなCDやDVDを楽しむのに限りますが体調の悪い時はバレエのDVDに限ります。 バレエに興味を持ったのは、15年ほど前からでタダ券をもらって行った「白鳥の湖」の公演を観て、この世にこんな... [続きを読む]

受信: 2008年12月10日 (水) 00時55分

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