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2008年11月 9日 (日)

ブラームスの室内楽(彼と作品について思うこと)

250pxjohannesbrahms 毎日確実に寒くなっています。東京の街路樹もすっかり色づいて正に晩秋の趣です。こんな頃に一人静かに楽しむ音楽はブラームス、それも彼の室内楽に勝るものは無いと思っています。何故か?季節のうら寂しさに負けて人恋しくなるというのに自分ひとり。生涯独身のブラームスもきっと一人で作曲をしながらも同じ心境だったに違いない(と勝手に決めつけている)(^^)。ブラームスの室内楽を聴いていると、そんな心の寂しさ、弱さ、優しさが痛いほど感じられてしまうのです。だから彼の音楽が好きなのです。僕はやっぱりワグネリアンでは無くてブラームジアーナーです。(苦笑)

ブラームスは良く「完全主義者」と言われますが、まったくその通りだと思います。それも相当なものです。何故なら彼の作品にはおよそ駄作というものがありません。モーツアルトだってベートーヴェンだってそれほど面白くない作品は有ると思いますが(異論も有るでしょうが)、ブラームスに限っては面白くない作品はまず無いと言って良いです。どれほど自信作だけを正式作品として残したかが伺えます。

また彼の主要な作品の残し方はジャンル毎にちょっと異常なほどに整理統合されています。

グループA) 交響曲(4曲)、協奏曲(4曲)

グループB) ピアノソナタ(3曲)、バイオリンソナタ(3曲)、チェロソナタ(2曲)、ピアノ三重奏曲(3曲)、ピアノ四重奏曲(3曲)、ピアノ五重奏曲(1曲)

グループC) クラリネットソナタ(2曲)、ホルン三重奏曲(1曲)、クラリネット三重奏曲(1曲)、クラリネット五重奏曲(1曲)

グループD) 弦楽四重奏曲(3曲)、弦楽五重奏曲(2曲)、弦楽六重奏曲(2曲)

上記のグループは僕のイメージで勝手に分けたのですが、それには理由が有ります。Aは管弦楽を伴う作品(管弦楽曲はここでは除いた) Bはピアノを伴う室内楽曲(ピアノ単独ソナタを含む) Cは管楽器を伴う室内楽曲 Dは純粋に弦楽だけの室内楽曲です。

これを見て感じるのは、ブラームスがいかに編成ごとに偏り無く、平均的に作品を残したかです。本人が「このジャンルは既に3曲書いた。だがこちらのジャンルはまだ2曲だ。ではこちらの作品を書こう。」などとウジウジと几帳面に考えながら書かないと決してこうはいかないと思います。ただそのような書き方もブラームスが古典的な作曲技法に長けていたからこそ可能だったのだと思います。当時のロマン派の革新的技法の音楽家では到底不可能なことです(というかそんなことは思いもしないでしょう)。でも良く見ると彼の最も得意なピアノを使う作品が微妙に他より多い事に気がつきます。やっぱり彼の心は生涯ピアニストだったのでしょう。

次回からはグループ毎に僕の好きな室内楽曲と愛聴盤を順にご紹介させて頂きたいと思います。お暇とご興味の有る方は是非お付き合い下さい。

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コメント

東京もすっかり寒くなり、ブラームスを聴くにはもってこいの季節になりました。
私もブラームスは大好きですが、晩秋に聴くクラリネット五重奏曲は、他の季節に聴くのとは一味も二味も違ってとても心に染入ります。
愛聴盤を楽しみにしております。

投稿: たろう | 2008年11月 9日 (日) 21時22分

たろうさん、お久しぶりです。
コメントありがとうございました。

晩秋に聴くクラリネット五重奏曲!
むむむ、いきなり本丸に攻め込まれましたか。たろうさんもやはりブラームジアーナー、同じ穴のムジナですねぇ(笑) これはまさに名曲中の名曲ですからね。

投稿: ハルくん | 2008年11月 9日 (日) 22時24分

秋もこれから落ち葉の時期をむかえ寂寞の思いが募ってきます。秋はブラームスが似合う、ほんとうにその通りですね。私が彼の室内楽に馴染むきっかけを与えてくれた最初の曲はバリリー四重奏団とイェルク・デームスの演奏によるピアノ四重奏曲(3曲)のLP3枚でした。ウエストミンスターは室内楽の宝庫、現在もターンテーブルに乗るレコードは少なくは無く、一人よがりの感無きにしも非ずですが、それらのレコードを聴く喜びと幸せは、他に無いような気がするのです。
おそらく愛聴盤もきっと同じものがあろうかと次回のアップを楽しみに待っております。残念ながら私はブログを持っておりませんので、コメント位しか出来ませんが、ときおり片隅から感想を寄せさせて頂ければ光栄です。

投稿: ISCIL | 2008年11月 9日 (日) 23時58分

ISCHLさん、こんにちは。
いつもコメントありがとうございます。

ウエストミンスターの室内楽は本当に宝物のような存在ですね。私もかつてはLPで愛好しました。優れたCDの復刻が出てからはだいぶ買い換えましたが、幾つかはLPもまだ残しています。
きっと愛聴盤も似たものが多く出てくると思います。コメントいただければこちらこそ光栄ですのでぜひお願いします。

投稿: ハルくん | 2008年11月10日 (月) 00時41分

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