« 素晴らしいブラームスのCD ベロフ、ヨッフム/シュターツカペレ・ドレスデン | トップページ | ヴェルディ 歌劇「アイーダ」全曲 名盤 »

2008年8月15日 (金)

歌舞伎でアイーダ 「野田版 愛陀姫」

2008kabuki

昨日はお盆休みの2日目で、歌舞伎座に行ってきました。といっても、今月の演目は「野田版 愛陀姫」。演劇界の才人野田秀樹さんは新国立劇場でヴェルディの歌劇「マクベス」の演出を手がけたことも有りましたが、今回はヴェルディの傑作オペラ「アイーダ」を、なんと歌舞伎へ書き換えたという注目の舞台ですので、とても楽しみでした。

原作のエジプトとエチオピアの争いを、戦国時代の美濃と尾張に置き換えて主役のアイーダは愛陀と、将軍ラダメスは木村駄目助座衛門(きむ、らだめす、けざえもん)と名前をパロっているあたりから笑えますが、将軍を決めるお告げを告げるいんちき占い師の名前が「細毛」と「荏原」の二人というのが大笑いでした。一方、アムネリスは実在の人物である濃姫として、最後に織田信長へ嫁にやられるというオチが傑作です。農姫を演じるのは中村勘三郎でさすがの演技です。

演出は歌舞伎と言ってもほとんど演劇風の実にわかり易いものです。ヴェルディの勇壮な音楽が、笛やお囃子や演歌ヴァイオリンで安っぽくバックに流れるのがまた雰囲気をかもし出してセンス抜群です。とくに凱旋のシーンでは軍隊ラッパのアイーダ行進曲とともに美濃軍が旗印を連ねて、大八車に戦利品を積んで行進してくるなど、最高のパロディで大笑いでした。

それが最後の地下牢での二人のこの世への別れのシーンになると、迫真の演劇のやり取りが実に胸を打ちました。その感動たるや、オペラ公演をむしろ凌ぐほど。さすがは野田秀樹です。そういえば、このシーンの音楽だけは、ヴェルディの原曲では無くマーラーの第五交響曲の「アダージェット」に差し替えていました。ちょっと驚いたものの違和感は感じませんでした。むしろイメージにピッタリで分かり易くて良かったと思います。

何しろ面白かったです。公演はまだ2週間ほど続くのでお薦めですが、昨日も立ち見が出るほどでしたので前売りはもう残っていないかもしれません。

野田秀樹演出の歌舞伎は過去にも2回行われていて、それは劇場映画化されています。「歌舞伎シネマ」という形で全国の劇場で順番に公開されていますので、お薦めです。特に「研辰(とぎたつ)の討たれ」という作品は抱腹絶倒、これほど面白い映画はこれまでにちょっと思い当たりません。騙されたと思って必ず観に行ってください。もうひとつの「鼠小僧」という作品もやはり凄ごく面白いですよ。

|

« 素晴らしいブラームスのCD ベロフ、ヨッフム/シュターツカペレ・ドレスデン | トップページ | ヴェルディ 歌劇「アイーダ」全曲 名盤 »

歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。

この「愛陀姫」は、私も見に行きました。
笑ったり、ウルウルしたり、見所がたくさんありましたね。

いつものゆったりした古典歌舞伎とは、全くテンポが違う演出でも、役者さん達が抜群の適応力で演じていたのがさすがだと思いました。

難を言えば、もう少し時間が長くても良かったかな・・・と。
2時間くらいかけて、じっくり味わいたかったです。

投稿: REIKO | 2008年12月21日 (日) 06時01分

REIKOさま、おはようございます。
コメントを頂きましてどうもありがとうございます!

野田さんの舞台はあまり観ていませんが、ドタバタ⇒悲劇という展開がお得意みたいですね。ですのでアイーダのドラマは野田さんにピッタリの題材だったのでしょうね。
私もREIKOさんのおっしゃられるとおりもう少し長くて良かったと思いますよ。

この公演はネットで見ると歌舞伎通の人ほど批判的な意見が多いようでした。それも分からないでも無いですが、単純に笑って泣いて大満足でしたよね。

音楽主体のブログですが、よろしければ是非またお立ち寄りください。

投稿: ハルくん | 2008年12月21日 (日) 09時01分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1080200/22993367

この記事へのトラックバック一覧です: 歌舞伎でアイーダ 「野田版 愛陀姫」:

« 素晴らしいブラームスのCD ベロフ、ヨッフム/シュターツカペレ・ドレスデン | トップページ | ヴェルディ 歌劇「アイーダ」全曲 名盤 »