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2008年8月 3日 (日)

J.S.バッハ「ミサ曲ロ短調」 福島章恭/東京ジングフェライン演奏会

実はもう先週の日曜日の事なのですが、音楽評論家であり合唱指揮者でもある福島章恭さんの演奏会を聴いてきました。曲目はJ.S.バッハの大作「ミサ曲ロ短調」でした。福島さんは宇野功芳、中野 雄のお二人と一緒に「クラシックCDの名盤」(文春新書)いう音楽本としては異例のベストセラーを執筆されていたので、名前は以前からよく知っていましたが、演奏会を聴いたのは初めてです。合唱は、オケはヴェリタス室内オーケストラ。どちらも福島さんの手兵と言ってもよい団体だそうです。

管弦楽やオペラは日本でもプロの公演が多く開かれていますので、それほど欲求不満に陥ることはありませんが、合唱曲となるとモーツァルトの「レクイエム」やベートーベンの「第九」以外には、なかなかお目にかかれないのが実態です。そんな中で、アマチュアで活発に活動している団体が「マタイ受難曲」とかの大曲を時々演奏してくるのは本当に有り難いことです。そして今回のロ短調ミサ公演会場の杉並公会堂へ楽しみに出かけたのでした。

ということで、こういう曲を生で聴けるだけでも有り難いのですが、福島さんの指揮は偉大なバッハの音楽に真正面から真摯に立ち向かうという姿勢がひしひしと感じられて好感が持てました。合唱も初めのうちは緊張のせいかやや声が詰まって硬かった気がしましたが、曲が進むにつれてどんどん調子が出てきて素晴らしくなりました。そして圧巻だったのはソロ声楽陣とヴェリタス室内オーケストラです。ソロシンガー達はさすがに福島さんの人選だけあって、声も技術も感情面も全員文句無し、というかそれ以上です。オケも桐朋学園出身のプロの奏者が集まっていますが、恐らくほぼ固定に近いメンバーなのではないでしょうか。弦楽パートの技術が高く、しかもボウイングがそろっているために非常に聴き応えが有りました。というのも日本のオーケストラはそれが案外苦手。歴史的にヨーロッパの国々とは違い、近代になってから色々な国から違った流派が入ってきたので、弾き方吹き方が奏者により色々。特に年齢層の高いオーケストラほど著しいように思います。更に言えば、日本の奏者は音程の取り方が平均律(ピアノの音程。基本的に変らない。)だそうです。ところがヨーロッパの伝統ではそれぞれの調性によって音の取り方が少しずつ変ります(例えば同じミの音でも調によって同じ高さではなくなる)。それを「音楽的に」良い耳でお互いに聞きわけながらハーモニーを取るのですね。そういう専門教育を子供の頃から受けた上で自国の楽団に皆集まるわけですから、そりゃ音やリズムの統一感や表情、味わいも生まれてこようというものです。

話が少々反れてしまいましたが、ヴェリタスはそんな統一感を持った素晴らしい団体です。福島さんによれば、「まだまだ発展途上でもっともっと良くなりますよ。」とのことですので、これは楽しみです。

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J.S.バッハ(ミサ曲、受難曲)」カテゴリの記事

コメント

この曲はなんといっても出だしのキリエでしょう ためて一気に爆発する全奏フォルテは圧巻

投稿: パパゲーノ | 2008年8月 4日 (月) 09時10分

パパゲーノさん、ようこそです!
まったくその通りですね。オケ曲で言えばさしずめ「運命」。こんな風にアフタクトの緊張感から解き放たれるやいきなり大爆発を味わえる曲はそうそう有りません。

投稿: ハルくん | 2008年8月 4日 (月) 22時12分

また書きます。この曲には有名なトリはだが立つ名曲があります。7曲目くらいにある合唱で「Gratias」これだ!「ありがとう」のことばも繰り返し繰り返しキレイですが、途中からトランペットがまるで人間の世界から魂が抜け出て神の世界へ昇華していくような感動がたまりませんね!充実感とはこのような瞬間ですね!

投稿: パパゲーノ | 2008年8月 5日 (火) 22時15分

本当ですね。このような曲を含むからこそ、人によっては「ロ短調はマタイより凄い」と言うのかもしれませんね。
ちなみに私はこれまではマタイが好きでしたが、最近は大いに迷うところです。

投稿: ハルくん | 2008年8月 6日 (水) 02時01分

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