2018年3月30日 (金)

ピアニスト 山田磨依 ファーストCD「ダマーズ生誕90年によせて」

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発売:ソナーレ・アートオフィス(SONARE1037)/2017年7月録音

新進ピアニストで個性的な活動をしている山田磨依がファーストCDをリリースしました。

彼女はとにかくフランス音楽を愛していて、本場パリの音楽院に留学し研鑽を積みました。そのまだ留学中に一時帰国した際に東京で開かれた演奏会を聴く機会が有ったのですが、そのピアノの音の美しさと軽やかさに耳を奪われました。著名コンクールで上位入賞するピアニストのような超絶技巧と音で圧倒されるタイプとは少々異なるように感じました。と言えば誤解されるかもしれませんが、彼女は正確な技巧を十分に持ち合わせていて、たとえラフマニノフの協奏曲でも破たん無く弾きこなしてしまいます。しかし彼女の指先から出てくる音には得も言われぬ洒脱さや、まぎれもないフランスのエスプリが香り漂うのです。

もちろんフランス出身の演奏家にはそのような特徴を持つピアニストが多く存在しますが、さて日本人でそれほどの印象を与えてくれる演奏家がどれだけ居るかというと疑問です。そういう点でも貴重な存在のピアニストであることは確かです。

そんな山田磨依のファーストアルバムは当然のことながらフランス物で固められました。中心となっているのはジャン=ミシェル・ダマーズ(1928-2013)です。普段滅多に聴く機会の少ないダマーズのピアノピースを集めているのは今年がダマーズの生誕90年に当るからです。彼女はそのダマーズの誕生日である1月27日にリサイタルを開きました。それほど思い入れのある作曲家であれば演奏にも愛情が200パーセント注がれているのは想像できます。

ダマーズの音楽というのはとにかく美しく爽やかで、晦渋さや神妙さが有りません。良い意味でBGM的に聴いていても大変癒されます。それは山田磨依の美しいピアノで聴くと尚更です。このアルバムには「ソナチネ」の他に3曲の合計4曲が収められています。

ダマーズ以外ではドビュッシーが印象的です。彼女が得意とする「喜びの島」の洒落たリズムとピアノの色彩感が秀逸です。

フランス物ではもう一曲、デュカスの「ラモーの主題による変奏曲、間奏曲と終曲」が有ります。

また唯一イギリスの作曲家でエドムンド・ハーツェルの作品「ダンデライオン」が収められていますが、これは作品そのものが山田磨依に献呈されていて世界初録音となります。

もともと私はフランス音楽を特別に好む方ではありませんが、彼女の演奏でそれを聴いていると改めて色々と聴いてみたくなります。このCDは単なる若手ピアニストのデビューアルバムとは異なり、コンセプトが非常に明確で異彩を放つ秀作だと思います。事実、音楽雑誌「レコード芸術」でも二人の評論家から準特選を得ています。

これは今からセカンドアルバムが待ち遠しくなるような素晴らしいファーストアルバムです。

♪ ピアニスト 山田磨依 公式ホームページ

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2018年3月 6日 (火)

絨毯座公演 クルト・ヴァイル作曲「マハゴニー市の興亡」(ブレヒト台本)

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3月3日(土)のことになりますが、絨毯座の公演でクルト・ヴァイル作曲「マハゴニー市の興亡」(ブレヒト台本)を観に行きました。
ヴァイルはこれまで「三文オペラ」以外は観たことが無く、大変興味深かったです。舞台は仮想?アメリカなのですが、マハゴニーでは1に食うこと、2にセックス、3に賭けボクシング、4に酒。「ここではやっていけないことはない。何でもありだ!」と歌われます。
ドイツにヒトラーのナチス党が勢力を伸ばす直前の作品ですので、やはり当時の混沌、無秩序化したドイツの時代背景を想像せざるを得ません。初演時には保守的な観客が抗議して騒動となり、ナチスのグループが妨害組織をつくりデモを仕掛けました。
我が国でこの作品は演劇としては近年も何度か公演されていますが、音楽劇としての公演は何十年ぶりだとか。貴重な観劇となりました。
 ステージの写真は絨毯座さんサイトから)
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2018年1月23日 (火)

チェリスト 伊藤悠貴 新アルバム ~ザ・ロマンティック~

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演奏:伊藤悠貴(チェロ)、ダニエル・キング・スミス(ピアノ)、ジェイムス・リル(ピアノ) 
企画制作:ソニー・ミュージック・ダイレクト
発売:ミューズ・エンターテイメント (MECO-1045) 
 
いまや日本を代表する若手チェリストとなった伊藤悠貴のセカンドアルバムが昨秋リリースされましたので是非ご紹介したいと思います。 
伊藤悠貴がブラームス国際コンクールに優勝した翌年2010年に録音を行ったファーストアルバムは中々に驚きの内容でした。オール・ラフマニノフというのはどう考えてもデビューアルバムとしては一般的では無いからです。しかし彼は思い入れの強いラフマニノフの曲で全てまとめ、それをまた演奏会においても頻繁に取り上げるという”我が道をゆく”を貫いてきました。
 
それからはや5年。待望のセカンドアルバムがリリースされましたが、今度は小品集です。ところが普通「小品集」と言えば、よく知られた名曲を集めるものですが、このアルバムは大半が余り知られていない曲で構成されています。アルバム全体の印象としてもかなり静かで落ち着いた雰囲気です。夜に部屋でくつろいで、そう、”ノクターン”として聴くのにぴったりなのです。
とにかくその曲目”リストを見てください。 
1.ラフマニノフ 夜のしじま
2.スクリャービン ロマンス
3.チャイコフスキー ユーモレスク
4.デーリアス ロマンス
5.ブリッジ 春の歌
6.リル 記憶(伊藤悠貴に献呈)
7.エルガー 愛の挨拶
8.アイアランド 聖なる少年
9.シューマン 献呈
10.マーラー 私はこの世に捨てられて
11.R.シュトラウス あなたは私の心の王冠
12.ポッパー ハンガリー狂詩曲
 
ここで賢い方ならすぐにお気づきでしょうが、1~3はロシアもの、4~8はイギリスもの、9~11はドイツ、12のポッパーはチェコ人です。
しかしこれらを続けて聴いてゆくと国の違いを全く意識させません。それは選曲のせいもあるでしょうし、演奏のせいもあると思います。つまりは伊藤悠貴がこれまで大事にして何度も演奏してきた”とっておきの曲”ばかりを集めていて、”ロマンティック”アルバムとして統一させたからでしょう。 
そこで誤解があるといけないのですが、このアルバムは流して聴けば確かに心地良い、癒しのミュージックになります。ところが耳を傾けてじっくりと聴き込むと何とも聴きごたえが有ります。それはまるで連作歌曲集を聴くような印象です。 
どこからどう聴き始めても素晴らしいのですが、個人的にはブリッジが大好きです。エルガーもしばしば耳にする曲ですが伊藤悠貴の演奏はしなやかな愛情と気品を感じさせる点において傑出していると思います。またシューマンは歌でもピアノでも演奏される名曲ですが、伊藤編曲のチェロ版がこんなに素晴らしいとは思いませんでした。 
そしてラストのポッパーは演奏会で往々に大熱演される技巧的で華々しい曲ですが、このアルバムでは決して熱くなり過ぎず、アルバムのそれまでの流れから飛び出ない程度に絶妙に盛り上げています。これは伊藤悠貴の判断なのか、それともプロデューサーの判断なのか分かりませんが、正にセンスの勝利です。この難曲をさらりと弾きこなしてしまうその超絶技巧には驚きますが、彼は決して技巧を前面に押し出してくるわけではありません。技巧はあくまでも手段であって、大切な”音楽”そのものを、”夢”を”ロマン”を聴衆の心に第一に与えてくれる全くもって稀有な若手演奏家です。
それにしても、歌い回しがとにかく自然でしなやかで、正に”歌っているよう”です。レパートリーに歌曲の編曲が多いのもその嗜好をうかがうことが出来ます。
ピアノを弾くのは彼とずっと共演をしているイギリスのダニエル・キング・スミスです。ただし6の「記憶」だけは、作曲者のジェイムス・リル自らがピアノを弾いています。
これは才能あふれる伊藤悠貴が愛情を注ぎこんだ力作なのは間違いありません。
すでにレコード芸術で「特選盤」に選ばれました。私は音楽評論家を全面的に信用しているわけではありませんが、この評者の聴く耳はさすがです。ぜひ皆さんにもこのアルバムを耳にして”ロマンティック”に浸って頂けたらと思います。
 
伊藤悠貴は主にイギリスと日本で多くの演奏会を行っていますので、もしお近くで演奏される時には是非、生の音を聴かれてみてください。きっと「ああ、チェロの音ってこんなにも美しいのか!」と感動されることでしょう。そしてその前に、実に魅力的なこのCDアルバムを楽しまれてください。 

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2018年1月10日 (水)

J.S.バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」 続・名盤 ~新春・女流名人戦~

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新年の聴き初めにふさわしい音楽というと真っ先に思い浮かぶのがやはりバッハです。その峻厳さには襟を正さずにはいられませんが、かといって決して堅苦しいわけではなく、音楽に人間愛が一杯に感じられるのが真の偉大さです。

ということで選んだのは「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」です。

”音楽の父”J.S.バッハが、たった1台のヴァイオリンの為に作曲した、この奇跡の作品については、5年前に「無伴奏ヴァイオリンの為のソナタとパルティータ 名盤」として記事を書いています。そこで今回はその後に入手したCDをまとめた「名盤・続編」です。

この曲集はかつてはどちらかいうと男性の巨匠が腕を競い合っていたように思いますが、時代も移り変わり近年ではむしろ女流奏者の意欲的な演奏が目立つようになりました。

そこで、いずれも現役の女流ヴァイオリニスト4人のCDを選び、題して『新春・女流名人戦』です。
して、その4名人とは。

チョン・キョンファ(韓国・1948年生まれ)
ヴィクトリア・ムローヴァ(ロシア・1959年生まれ)
レイチェル・ポッジャー(英国・1968年生まれ)
イザベル・ファウスト(ドイツ・1972年生まれ)

4人にはやや年齢差が有りますが、いずれ劣らぬ個性派ですので聴き比べが楽しみでした。それでは鑑賞記を年齢順では無くて録音した順番に。

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レイチェル・ポッジャー(1998-99年録音/チャンネル・クラシックス盤)

4つの中で録音時期は最も古いです。ポッジャーは英国生まれですが、ドイツで教育を受けて若い時期からバロック奏法に興味を持ち、古楽アンサンブルの創設に関与をしたり、レコーディングを行ううちに1997年にトレヴァー・ピノックのイングリッシュ・コンソートのコンサートミストレスに抜擢されました。このCDはその直後の録音で、1739年製のバロック・ヴァイオリンを使用しています。
どの曲もほんの僅かにヴィブラートをかけた美音できっちりと演奏しています。テンポには幾らか伸縮が有って即興性を感じさせます。しかしそれは決して過度なものではありませんし、むしろ四角四面の学究派的な退屈さから解放された魅力となっています。「シャコンヌ」でも大上段に構えたリはしていませんが、とても心に染み入ります。ボウイング技術が素晴らしく、音符一つ一つのテヌートとスタッカートの処理が非常に明確かつ的確で、やはりバロック一筋の演奏家であると感心させられます。あらゆる点でバランスの良い、正に古楽器派の新時代の王道を行くような素晴らしい演奏だと思います。マイナーレーベルからの発売で地味な存在ですが、これは広く聴かれて欲しい名盤です。

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ヴィクトリア・ムローヴァ(2007-08年録音/Onyx盤)

ムローヴァは元々モダンヴァイオリンの騎手として活躍していましたが、ある時期から古楽演奏家との共演を多く経験するうちにピリオド楽器の嗜好が強くなったようです。ですのでこの録音ではガット弦を張った1750年製のガァダニーニにバロック弓を用いて演奏をしています。
確かに演奏についてもヴィブラートを控えた古楽奏法を試みています。けれども例えばポッジャーの演奏と比べてみると、やはりモダン奏法の癖をそう簡単に消し去ることが出来ず、随所でそれを感じさせてしまいます。もちろんモダン奏法のバッハが悪いというわけではありませんし、古楽器の持つ音色を味わえるのは確かですので、この演奏を支持する方も案外と多いかもしれません。けれども個人的には何となくどちらつかずの印象を受けてしまい、どうせなら純古楽器奏法か、あるいはコテコテのモダン奏法のほうが楽しめます。録音についてはとても優秀で、楽器の音の美しさを忠実に捉えています。

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イザベル・ファウスト(2009-11年録音/ハルモニア・ムンディ盤)

ファウストはバッハの直筆譜を徹底的に研究した結果、『荘厳な構築性を兼ね備えた大聖堂のような総合芸術で、調和、均衡に驚愕する』と述べています。ヴァイオリンは愛機のストラディヴァリウス製「スリーピング・ビューティー」を使用。詳細は記述が有りませんが、恐らくガット弦を張り、バロック弓を使用していると思われます。奏法はほぼノン・ヴィヴラートの古楽奏法です。
第1番のプレリュードをやや速めのテンポで開始します。音は美しく澄み古楽器特有の痩せた印象は受けません。淡々とした雰囲気が敬虔さを滲み出させます。2曲目のフーガは一転して快速で、跳ねるようなリズムを感じますが、それでいてフーガを見事に弾きこなしているのには驚かされます。
全体的には速めのテンポで舞曲のリズムを強調した奏法で統一しています。「シャコンヌ」についても往年の巨匠達があらん限りの熱演をするところ、あっさりと爽やかに演奏しています。最初は拍子抜けしましたが、ここにある『軽み』こそが新鮮な魅力であり、後半のしっとりとした響きの美しさを引き立たせています。けれども荘重な楽曲においては厳かな雰囲気を充分に漂わせていて中々に感動的です。

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チョン・キョンファ(2016年録音/ワーナークラシックス盤)

これは一昨年リリースされた新しい録音です。評論家の故宇野功芳先生が生前絶賛したキョンファの東京での演奏会のバッハ無伴奏は私も聴いていますが確かに素晴らしかったです。その後、指の故障のために演奏から離れていた彼女が復帰して全曲録音してくれたのは嬉しいのですが、キョンファの無伴奏全曲を聴けずに逝去された宇野先生はさぞ心残りであったろうと思います。
使用している楽器はモダン仕様の愛機1735年製ガルネリ・デル・ジェスです。キョンファはこの4人のうち唯一モダン奏法でバッハに挑みます。古楽奏法流行の時代に在っても”我が道を行くのみ”です。
ここに聴かれるバッハは精神的に強靭かつ浪漫的で、ひたすら音楽の本質に迫ろうという強い意思に貫かれています。この演奏は往年のヴァイオリン界の巨人シゲティやミルシュテイン、あるいはメニューインといった面々を想わせます。テンポはかなり流動的で緩急や表情の巾が大きいですし、ヴィヴラートも躊躇わずに多用しています。技巧的な難所では流麗とは言えませんが、反面、神への祈りを感じさせるような楽曲では敬虔さと深い想いを感じずにはいられません。

というわけで、4人の女流名人のバッハを堪能しました。いずれも一聴に値する名演奏であることは確かなのですが、現在自分が好む無伴奏はどれかと言えば、ポッジャーとファウストで少々迷ったうえ、最終的にポッジャーを選びます。次点が僅差でファウストです。残りの二人はキョンファ、ムローヴァの順となります。

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2018年1月 1日 (月)

あけましておめでとうございます! 2018年 元旦

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皆様、明けましておめでとうございます!
 
昨年はあっという間の一年でしたが、大変実りの大きい年でした。
色々と演奏会の企画に携わり、さらにプロ演奏家のCD制作プロジェクトも開始しました。
 
今年の夏にはいよいよブログ開設10周年を迎えますので何か企画出来ないかと考えています。決まりました時にはお知らせ致します。
 
それでは新しき年が皆様にとりまして幸多い年となりますようにお祈り申し上げます!
 
※写真は我が家のクッキーくんです。コーギーとパピヨンのミックスですので尻尾を切られずに済みました。

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2017年12月28日 (木)

クリストフ・エッシェンバッハ指揮NHK交響楽団の「第九」演奏会

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今年もいよいよ暮れとなりましたが、そんな昨日27日のこと。今年最後のコンサート鑑賞です。

クリストフ・エッシェンバッハ指揮NHK交響楽団の「第九」をサントリーホールで聴きました。もう10年以上も前に、同じこのサントリーでエッシェンバッハがドイツのシュレスヴィヒ・ホルシュタイン祝祭管弦楽団を指揮したブラームス第4番を聴いてから、”指揮者”としてのこの人が大好きになったのですが、それ以来の実演でした。 

それにしても昨日の「第九」は凄い演奏でした!最近流行の速いテンポによるスマートな演奏とはまるで異なり、要所要所で大胆なアクセントを効かせたり、テンポに一瞬の間を置きながら音を溜めてはガツーンといく非常に聴きごたえのある演奏でした。けれども、そこにはわざとらしさや違和感は皆無。それは恐らくはマエストロの虚飾の無い音楽性から生まれて来る表現意欲に基づいているからではないでしょうか。どことなく昔の大巨匠フルトヴェングラーを連想してしまいます。
第三楽章全体や終楽章の「歓喜の歌」が登場してからしばらくの部分などはテンポも非常にゆったりとしていて、心から慈しむように奏でる弦楽がそれは美しく感動的でした。 
マエストロに率いられたN響は非常な熱演でしたが、東京オペラシンガーズ約100名による合唱がまた美しくかつパワフルで圧巻でした。
N響の第九の実演は東日本大震災の年のチャリティーコンサートをズービン・メータの指揮で聴いて以来ですが、これまで何度も聴いてきた第九の中でも特に強い感銘を受けました。

こういう第九が毎年聴けたら良いのですが、中々そうは参りません。優れた指揮者とオーケストラ、合唱団、音響の良いホールで条件の良い座席、それらが上手く組み合わさらないとお目にはかかれません。そういう意味でも正に今年を締めくくるに相応しい曲と演奏のコンサートでした。

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2017年12月22日 (金)

ブラームス 交響曲全集 カラヤンとセルを聴く ~古い奴だとお思いでしょうが~

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すっかり冬になりましたが、季節を秋に遡ってみたいと思います。

毎年深まる秋を感じると無性にブラームスの音楽が聴きたくなりますが、そういう方は多いと思います。哀愁漂う美しい旋律が心の奥底まで染み入ってくるからですね。

ブラームスはロマン派音楽全盛の時代に古典的様式を用いて作曲をしたので、先進的な音楽家からは『古い奴だ』と思われていました。けれども様式は古典的でも、音楽の内側はロマンチシズムが一杯に溢れていて、それがブラームスファンの心をぎゅっと掴むのですね。

今年の秋は中々ゆっくりとブラームスの音楽を聴くことが出来ませんでしたが、晩秋も過ぎたころから二つの交響曲全集をよく聴きいていました。それも以前なら、あまり聴く気が起きなかったカラヤンとセルによる全集です。どうも齢を重ねて嗜好の幅が広がったように思います。それは指揮者に限らず、作曲家、カテゴリーなど何についても言えてはいます。

実は生まれて初めて購入したブラームスの交響曲全集はカラヤンのLP盤のセットでした。高校生の時です。初めは大いに気に入り何度も聴きました。が、しだいに当時傾倒していったフルトヴェングラーのセットが欲しくなり、それを持っていた友達と交換したのです。録音は悪いものの大満足でした。

ところが、ある日クルト・ザンデルリンク/シュターツカペレ・ドレスデンの全集を聴いたところ、何か感覚的にストーンと落ちて『これこそがブラームスだ!』と思えたのです。それから45年という月日が流れましたが、幾ら新しい演奏を耳にしても、それ以上に感じられる演奏は決して有りません。

それでもブラームジアーナーとして幅広く聴きたい気持ちは起きてきます。ということで今年の秋はカラヤンとセルでした。

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ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー(1977-78年録音/グラモフォン盤)
   
前述したとおり初めて購入した全集というのはカラヤンがベルリン・フィルと1960年代にグラモフォンに録音したものです。当時のアナログ(LP)盤で聴くと柔らかく目の詰まった響きがブラームスにふさわしく、とても良い音だと思っていました。ところがそれをCDで聴いたところ分離が悪く、薄っぺらい音にがっかりしました。恐らくはマスタリングの悪さでししょうが、これでは演奏以前の問題です。そこで次に購入したのが、この1970年代の全集盤です。こちらは中々に良い音に仕上がっています。

演奏はどの曲も速過ぎず遅過ぎず中庸のテンポで進みますが、ベルリン・フィルの音の厚みが演奏全体に重みと迫力を感じさせます。ただ、弦楽器などは余りに流麗に過ぎて聞こえますし、レガートを強く意識した演奏は耽美的と言えば聞こえはいいのですが、艶やかさが逆に厚化粧に感じられます。

多くの人が指摘するようにカラヤンの演奏に共通しているのは、外面的な美を追求するあまり、音楽の内面的な真実性が希薄になります。徹底的に磨き上げられた美音で演奏されるとベートーヴェンもチャイコフスキーも、このブラームスも何の曲を聴いても同じ印象を受けます。ベルリン・フィルは非常に上手いのですが、あの演奏から寂寥感や悲しみが感じられることはほとんど有りません。BGM的とも呼べるかもしれません。
更に気になるのがフォルテで管楽器を強奏させることで、明るい音で派手に鳴らすのが常套手段と化しています。第1番の終楽章、第2番の終楽章、4番の終楽章とことごとくこれみよがしな派手なフォルテシモが鳴り渡りますので、せっかくそれまでに厚い音で楽しませてくれていた心地良さもどこかに吹き飛んでしまいます。

音楽にブラームスを感じ取ることはありませんし、繰り返して聴くごとに段々と心は離れてしまい飽きが来やすくなる結果となりそうです。 

 

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ジョージ・セル指揮クリーブランド管(1964-67年録音/SONY盤) 

セル/クリーヴランドが全盛期の1960年代にCBSにより録音された全集です。セルのブラームスは基本のテンポを第1番から第4番までいずれもイン・テンポを保っていて、古典的な造形性をきっちりと守っているのが素晴らしいです。それでいて節目には”念押し”とまでは呼べなくとも、しっかりと重みを感じさせてくれ、いかにもブラームスらしいです。

テンポ設定も全般的に速過ぎることもなく、第4番あたりにはむしろゆったりとしてた情緒的な味わい深さが有ります。

音の切れの良さはいつもながらで、スパッとしたフレージングが日本刀か何かを思わせます。初めのうちはブラームスにしてはスッキリし過ぎているように感じられましたが、繰り返して聴くうちにそれが段々と快感を覚えるようになります。但しフレージングが余りに厳格なので、文字に例えれば”楷書体”あるいは”ワープロ文字”のように聞こえます。それはセルのCBS時代の大半のセッション録音に共通して言えることなのですが。

オブリガートが非常に明確で、スコアを見ながら勉強するには最適です。金管パートがそれぞれ非常に明確なのも特徴です。時にそれにわざとらしさを感じてしまうというのも正直なところです。

金管の響きはブラームスにしては明る過ぎます。他のアメリカの楽団のように、いかにもアメリカ的な底抜けの明るさでは無いですが、ドイツの楽団であれば全体のハーモニーから浮き上がらないような音型が浮き上がり過ぎてしまいます。むろんこれは好みの問題でしょうが、自分にはやはりドイツ流の全ての楽器が柔らかく溶け合った響きが好ましいです。

ということでこの秋は二つの全集を何度も聴きかえしましたが、決定的に異なる点は、繰り返して聴くたびに徐々に魅力が増してゆくセル盤と、それとは逆のカラヤン盤でした。あくまでも”私の場合は”ということですのでご了承願います。

<関連記事>
ブラームス 交響曲全集 名盤 ~古典派の肉体にロマン派の魂~

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2017年12月12日 (火)

小川栞奈ソプラノリサイタル ~若き演奏家による水曜午後の演奏会~

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素晴らしい新進ソプラノ歌手のコンサートをご紹介します。
それは小川栞奈(かんな)さんです。
新進と言いましても彼女は既に国内外のコンクールで優秀な成績を収めていて将来を大変嘱望されています。
しかしどんな将来の大物音楽家でも『いま』を聴けるのは今しか無いのですね。
来週12月20日(水)14:00開演です。
会場は和光大学ポプリホール鶴川です。
小田急線鶴川に有るこのホールは小規模で室内楽の演奏等には最適な音響を持ちます。
 
町田市文化国際交流財団の主催する「若き演奏家による水曜午後の演奏会」ですので破格の料金で楽しめます。
お時間に都合の付く方は是非いらしてください。
 
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2017年12月 1日 (金)

チャイナ・フィルハーモニーの演奏会

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昨日はサントリーホールへチャイナ・フィルハーモニーのコンサートを聴きに行きました。もちろん中国の楽団です。近年だいぶ充実しているという中国のオーケストラの実力を聴いてみたいというのも有りました。

演奏曲目は、
R.シュトラウス「4つの最後の歌」から「夕映えに」の管弦楽編曲版
サン=サーンス ヴァイオリン協奏曲3番
ショスタコーヴィチ 交響曲5番
以上です。
 
指揮は芸術監督も務めるロン・ユー。そしてヴァイオリン独奏は若干11歳(だそうだ)のパロマ・ソーちゃんです。
 
サン=サーンスではソーちゃんのヴァイオリンの音がどうしても小さく感じられました。元々協奏曲のヴァイオリンソロはよほどの人でないとオケに埋もれるのでこれは仕方ありません。でも11歳とは思えないほどの繊細なセンスが感じられて私的には好ましかったです。
 
オケは弦楽が中々に優秀だと思いました。サン=サーンスでも音の切れの良さを感じましたが、ショスタコでは更に鋭い切れの良さと迫力が有り見事でした。半面、管楽はパートによる凸凹は有りますが全体的にはまだまだですね。特に金管が聴き劣りします。
でもショスタコの5番を生で聴くのも久しぶりですし、演奏には緊迫感が感じれたので良かったです。
 
中国のクラシック楽壇、決してあなどってはなりませぬぞ。

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2017年11月20日 (月)

マーラー 歌曲集「亡き子をしのぶ歌」 名盤

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マーラーの歌曲集「亡き子をしのぶ歌」は、ドイツ語の原題が「Kindertotenlieder」ですので直訳すれば「子供の死の歌」となります。正否を論じるほどのことでは有りませんが、印象として前者は”母親”の歌、後者はどちらかいうと”父親”の歌という気がするのは私だけでしょうか。

この曲集はドイツの詩人フリードリヒ・リュッケルトの詩が使われていますが、リュッケルトは二人の息子を失った悲しみを実に428篇もの詩に詠いあげました。その息子の一人の名前はエルンストで、それは13歳で病死したマーラーのすぐ下の弟と同じ名前でした。ですのでマーラーは亡き弟を偲んでこの歌曲集を書いたという説が有ります。

この歌曲集を書き上げた1904年という年は、第5交響曲の初演、第6交響曲の完成、第7交響曲の作曲開始と極めて充実した時期に当たります。このような輝かしい時期に詩人の実体験に基づく曲に夫が取り組むことに妻のアルマは不安を抱き、途中で創作を思い止まらせようとしたそうです。けれどもマーラーはそれを聞き容れずに作品を完成させます。そして翌年の1905年に初演されますが、その僅か2年後に長女のマリア・アンナをジフテリアと猩紅熱で失くしてしまいます。これもマーラーの生涯の悲劇としてよく知られた話です。

そんな背景から生まれたこの歌曲集は本当に素晴らしいです。実際に我が子を失った親にとっては余りにも哀し過ぎて、聴くのが躊躇われるほど辛過ぎるとは思いますが、マーラー特有の旋律の魅力と美しさは繰り返して聴けば聴くほどに心に深く感じられてゆきます。

曲は5篇の詩から成ります。(各曲の要旨)

第1曲 いまや太陽は明るく昇る
いまや太陽は明るく昇る、夜中に何の不幸も無かったかのように。
不幸が起こったのは私だけだ、太陽は皆を明るく照らしている。 

第2曲 いまや私にはよく判る
いまや私にはよく判る、なぜあんなに暗い炎をその目に輝かせていたのかが。
だが私には判らなかったのだ。あの光で私に告げようとしていたのだね。 『私たちをよく見ててね。だってすぐに遠くに行っちゃうんだから』と。

第3曲 おまえの母さんが部屋に入ってくるとき
おまえのお母さんが部屋に入ってくるとき、私にはいつものようにお前がその後にくっついてちょこちょこと入ってくるように思われるのだ。昔のように!

第4曲 よく私は考える、子供たちは外へ出かけただけなのだ
よく私は考える、子供たちは外へ出かけただけなのだ!
すぐにまた家に帰ってくるだろう!天気は良いし心配は無い。あの子たちはちょっと寄り道しているだけなのだ。

第5曲 こんな天気、こんな嵐の日には
こんな天気、こんな嵐の日には決して子供たちを外へ出したりはしなかった。
それなのにあの子たちは運び出されてしまった。それに対して私は何も言えないのだ。

さて、この曲は音域から通常アルト(もしくはメゾ・ソプラノ)かバリトンで歌われますが、指定はされていません。
詩の内容については第3曲目が完全に父親の詩で、残りの4曲はどちらとも言えません。
しかしこの曲が一般的に女性歌手により歌われることが多いのは、子供を失う悲しみ=母親、女性という印象を与えるからかもしれません。曲想からしてもどう聞いても女声がふさわしく感じられます。

音楽的にはどの曲も魅力的で甲乙つけ難いですが、個人的には第1曲と第4曲のマーラーならではの個性的な旋律に強く惹かれます。第5曲の嵐のように迫りくる緊迫感もとても魅力です。

それでは愛聴盤のご紹介です。

Mahlerimg091キャスリーン・フェリア―(A)、ブルーノ・ワルター指揮ウイーン・フィル(1949年録音/EMI盤) フェリア―がまだ20代で国際的には無名の頃にワルターがその才能を見出してマーラーの音楽をレッスンしただけあり、本当に素晴らしい歌唱です。一つ一つの言葉やフレーズに込められた情感とニュアンスの深さは比類が在りません。また、今では失われてしまった当時のウイーン・フィルのほの暗く情緒的な音色は比類ない魅力が有ります。録音も優れていて古い割には鑑賞上全く気になりません。このような演奏こそが正に「不滅の名盤」の名に値するのでしょう。

Mahler965D.フィッシャー=ディースカウ(Br)、カール・ベーム指揮ベルリン・フィル(1963年録音/グラモフォン盤) ベームのマーラーの印象はかなり薄く、事実シンフォニーは聴いたことが有りません。ただ歌曲は「さすらう若人の歌」やこの「亡き子を偲ぶ歌」を演奏しています。決して情緒に溺れはしませんが、彫が深く行き応えが有ります。
特に第5曲の音の迫力と雄弁な金管楽器の扱いは圧巻です。当時のベルリン・フィルの暗めの音色にも惹かれます。問題はむしろFディースカウで、非常に上手い歌唱なのですが、例によって演出臭さが拭えず、どうも知性が感情に勝ってしまうのが玉に瑕です。

064クリスタ・ルートヴィヒ(Ms)、カール・ベーム指揮シュターツカペレ・ドレスデン(1972年録音/オルフェオ盤) 数少ないベームのマーラーでザルツブルク音楽祭のライブです。独唱をマーラーを得意とするルートヴィヒが歌います。オケはSKドレスデンですしベームなのでやはり情緒面々と歌いあげるようなスタイルではありません。しかし非常に表情豊かに歌い上げるルートヴィヒに引っ張られてか、演奏全体の印象は極めて人間的で感情のひだがひしひしと感じられる結果となっています。当たり前のことなのですが、これはやはり『歌曲』なのですね。第4曲など悲しみが本当に心に迫ります。

Ph13058ブリギッテ・ファスベンダー(Ms)、クラウス・テンシュテット指揮北ドイツ放送響(1980年録音/Profil盤) マーラーの交響曲第5番に付属の二枚目のディスクにこの曲だけ収められた贅沢な扱いです。テンシュテットらしい遅いテンポにより情緒面々と沈滞するような演奏で、やはりこの曲は「こうでなくては!」と感じさせます。どの曲でも魅力的ですが、特に第4、5曲が優れていてます。後者のオーケストラの音の彫りの深さはどうでしょう。表情豊かなファスベンダーの歌唱も非常に優れています。


Mahler_6de5ba13アグネス・バルツァ(Ms)、ロリン・マゼール指揮ウイーン・フィル(1985年録音/CBS SONY盤) 総じてマゼールのマーラーはテンポが遅めですが、この歌曲も例外ではありません。第1曲などはバーンスタインよりも遅く、沈滞の極みとなっています。ウイーン・フィルの音もさすがにワルター時代の濃厚な味わいは薄れましたが、他の団体の音と比べればマーラーの音楽への適性は群を抜いています。バルツァの感情豊かな歌も曲に向いていて、子を失った母親の哀しみを痛切に感じさせて感動的です。

Mahlerthbrzdfft5トーマス・ハンプソン(Br)、レナード・バーンスタイン指揮ウイーン・フィル(1990年録音/グラモフォン盤) バーンスタインとウイーン・フィルとの組み合わせがやはり魅力的です。ウイーン・フィルの持つ美しい音はもちろんのこと、各フレーズの歌わせ方、彫の深さはやはりバーンスタインが最高です。ハンプソンもFディースカウのような演出臭さを感じさせないばかりか、美しい声と落ち着いた歌唱で心に深く訴えかけてきます。

313a121wgvlアンネ・ソフィー・フォン・オッタ―(Ms)、ピエール・ブーレーズ指揮ウイーン・フィル(2003年録音/グラモフォン盤) ブーレーズのマーラーはバーンスタインやテンシュテットのような巨人タイプでは有りません。ウイーン・フィルの持つ音の美感を生かしながら、さらりと水が流れるような透明感のある音楽を引き出しています。オッタ―の若々しく澄んだ声もそれにピッタリであり、心に静かにしみこんでくるような哀しさを感じさせます。但し痛切な感情表現を求める場合には少々物足りなく感じるかもしれません。

名演奏が多過ぎて絞り込むのも躊躇われますが、マイ・フェイヴァリット盤を選ぶとすればやはりフェリアー/ワルター盤です。次点はバルツァ/マゼール盤とします。男性歌手のものとしてはハンプソン/バーンスタイン盤です。

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2017年11月19日 (日)

福島章恭指揮モーツアルト「レクイエム」特別演奏会

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今週16日はオペラシティのタケミツメモリアルへ福島章恭指揮モーツアルト「レクイエム」特別演奏会を聴きに行きました。来月のモーツアルトの命日にウイーンのシュテファン大聖堂で合唱団が歌うツアーの壮行コンサートです。
さすがに入念に準備をかけたであろうという大変素晴らしい合唱でした。良く歌えているだけでなく正に「魂の籠った歌」が感動的でした。それがタケミツメモリアルのあの高い高い天井一杯に響き渡りました!
特別オケの演奏した「魔笛」序曲、そして交響曲第40番の美しさも特筆ものです。弦楽の澄んだ響きが特に印象的でした。この東京ヴェリタス交響楽団を聴いたのは随分以前のことですが、今日の演奏は格段に充実していました。但しウイーンでは現地のオーケストラが演奏するのだそうです。
 
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ウラディーミル・フェドセーエフ指揮チャイコフスキー・シンフォニーオーケストラの演奏会

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今週15日のこと。ウラディーミル・フェドセーエフ指揮チャイコフスキー・シンフォニーオーケストラの演奏会を聴きにサントリーホールへ行きました。この団体はやはり以前の「モスクワ放送交響楽団」の名前に馴染みが深いです。前任のロジェストヴェンスキー時代から数々の名演、名盤に親しんできたので。
 
フェドセーエフはもう85歳とは思えないほどのエネルギッシュな指揮ぶりでラフマニノフの交響曲第2番という大曲を楽しませてくれました。このオケのおおらかで馬力の有る音は昔と変わりません。
サブメインのチャイコフスキーの協奏曲を弾いた三浦文彰君については今更何をいわんやというぐらい人気があるので今日も会場には女性ファンが凄く多かったです。熱く激しくこの稀代の名曲を見事に弾き切っていましたが、曲の中で一転して軽く優しく変わる部分などでは表情にまだまだ余裕や洒落っ気が足りない印象を感じてしまいました。しかし無理に往年の大家の真似事をする必要も無く、いずれ余裕が生まれてきた時に更に更に輝きを増してくれることでしょう!
 
帰りはアークヒルズに飾られたツリーがとても綺麗でした!そういえばもうじき「くるみ割り人形」の季節だなぁ。チャイコフスキー、ラフマニノフ、ロシア、万歳!(笑)
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2017年11月17日 (金)

県央音楽家協会「設立一周年記念コンサート」

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11月11日のことですが、私が事務局長を務めている神奈川県の団体である県央音楽家協会の「設立一周年記念コンサート」が大盛況のうちに終わりました。

新メンバーも多く加わった活動二年目でしたが、今回もバラエティに富んだプログラムがとても好評でした。中でも会員作曲家の手による書き下ろしの組曲「三川の四季」では和楽器、洋楽器と声楽の合同で地元の神奈川県相模川流域にちなんだ四季折々の情景が見事に表現されました。

この日、ご来場下さった皆様、日頃応援して下さる皆様、本当にありがとうございました。

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2017年10月11日 (水)

「ロシアより愛の調べ、愛の詩」 ~マリインスキー劇場から訪れたコンサートツアー~

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ロシアの名門マリインスキー劇場からテノールのカルロス・ドノフリオとバリトンのミハイル・ガヴリーロフの二人の歌手と専属ピアニストのエカテリーナ・ヴェンチコヴァが来日して、「ロシアより愛の調べ、愛の詩」コンサートツアーがロシア文化フェスティヴァルの公式プログラムとして開催されました。

ツアーは9月16日の八ヶ岳高原音楽堂公演を皮切りに10月5日の日経ホール公演まで公開演奏会が全6公演、非公開を加えると全部で7公演が行われました。

このコンサートツアーのホスト役となったのはかつてマリインスキー劇場に在籍し、現在は日本で多彩な活動をされているソプラノ歌手の中村初恵さんです。ワレリー・ゲルギエフとともに名門劇場を支えるゲルギエフの姉ラリッサ・ゲルギエワからの信頼も厚く、ラリッサさんが今回のツアーの後ろ盾となってくれたことでこの素晴らしいツアーが実現しました。

それにしてもマリインスキーの男性歌手の実力は圧倒的で、どの曲でもその深々とした声でロシアの歌をじっくりと聴かせてくれました。対照的に中村初恵さんは清らかで澄んだ声質を持ち、ロシアの歌の抒情性や美しい魅力をたっぷりと味合わせてくれました。

今回の7公演のうちの3公演では日本在住の名チェリスト、ドミトリー・フェイギンさん、そしてフェイギンさんの叔父の名ヴァイオリニスト、グリゴリー・フェイギンさんに師事した日本人の優れた若手ヴァイオリニスト小野唯さんがゲストとして参加しました。

もちろん歌手だけでも最上のパフォーマンスが可能なのですが、あえて日本で活躍するロシアゆかりの演奏家が彼らと共演することで、日本とロシアの友好イベントとしての価値が更に高まったと思います。これは単なる営利目的の事業では無く、国際文化交流事業なのですから。

歌を支えるピアノの妙技。さらにヴァイオリン、チェロが加わってのピアノトリオの演奏、伴奏の素晴らしさ。このツアーでは聴きどころが山ほどありました。

私はたまたま中村さんの活動を以前から応援していたことから、このツアーのサポートをさせて頂ける幸運に恵まれ、横浜みなとみらいホール、日経ホール、八ヶ岳高原音楽堂、ロシア大使館での公演に携わりました。

それにしても、これだけの大規模のプロジェクトがマネージメント会社の運営によるものでは無く、幾ら社団法人とはいえ業務に慣れていないスタッフによる手造りコンサートツアーとして運営されたことは奇跡に近いです。

皆さんにこの素晴らしい公演をお聴き頂きたかったですし、それも出来ることなら一つだけでなく構成の異なる別公演も聴いて頂きたかったです。

それがかなわなかった方へ、せめてツアーの写真をご紹介させて頂きます。

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初回公演の前夜、宿泊先の八ヶ岳高原ロッジで出演者とスタッフの夕食風景(9/15)

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八ヶ岳高原音楽堂で開かれたツアーの初回公演(9/16)

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ロシア大使館で開かれたディナーパーティ付きコンサート(9/27)

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バリトンのミハイル・ガブリーロフと中村初恵さんのデュオ(9/27)

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ピアノトリオの伴奏による素晴らしい歌のハーモ二―(9/27)

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横浜みなとみらい小ホールでの主催公演(9/29)

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本番前のリハーサル。ラフマニノフのピアノトリオ第1番「悲しみの三重奏曲」(9/29)

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終演後にロビーにて出演者全員(9/29)

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ツアー最終の日経ホールでの公演(10/5)

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この日は一段と盛大な拍手に包まれました(9/29)

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終演後のロビーでもお客様に温かく迎えられました(10/5)

このほかにも群馬、埼玉で公演が行われました。

そして多忙な彼らは最終公演の翌朝、成田空港行きのバスに乗り東京を離れました。

3週間を超える来日ツアーを行ってくれた彼ら、その準備に1年をかけて運営してくれた中村初恵さんとハートフルアートの事務局長さん。それを陰で支えた大勢のサポーターたち。その結果、かくも素晴らしき日本とロシアの友好コンサートツアーが大成功に終わりました!

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2017年10月 2日 (月)

500万PV到達 心から感謝!

気づかないうちに拙ブログが500万PV(ページヴュー)に到達していました。(汗)

いつも閲覧下さっている皆さまには心からお礼申し上げます!

次に目指すは1000万PV(!)かな? うーんだいぶ先の事です。

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